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2019-12-12

第4回定例道議会閉会

78949861_1172726102919514_8703584907030429696_n12月12日(木)第4回定例会が閉会しました。
第4回定例道議会は、11月26日に開会、令和元年度一般会計補正予算、「大学入学共通テストに関する意見書」などを可決し、12月12日に閉会しました。
民主・道民連合会派の代表格質問には、須田靖子議員(札幌市手稲区)が立ち、知事の政治姿勢、行財政運営、交通政策、災害対策、医療・福祉政策、一次産業振興などについて質疑しました。
一般質問には、木葉淳議員(江別市)、小岩均議員(北広島市)の2議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質しました。

知事が提案した補正予算案は、一般会計に61億円6,900万円、特別会計に3億800万円を追加し、合計64億7,700万円となりました。これにより前回までの計上額と合わせて、一般会計は2兆8,771億円、特別会計は1兆1,462億円、合計で4兆233億円となりました。災害復旧事業に、昨年の胆振東部地震、今年の台風8号、10号などで被害を受けた23市町48箇所の道路・河川の改修費、農業用施設及び治山施設、土木施設の被害の復旧工事費など14億6,900万円を計上しました。台風19号で大きな被害を受けた宮城県丸森町への応援経費として、道職員の派遣、コンテナ型トイレの設置などに3,800万円を計上しました。地方競馬特別会計補正予算案も提出され、門別競馬場の施設等整備及び情報システムの改修費など1億5,800万円が計上されました。

代表格質問での主な課題として
令和2年度重点政策については、策定にあたっては担当職員との議論や対話を通じて各部横断的な政策形成を図っていくとの答弁でしたが、そもそも知事選の目玉公約であった「ほっかいどう応援団会議」自体がトップダウンで決められた経緯があることから、ボトムアップ型の行政を展開し職員との信頼関係を構築すべきと質しました。
JR北海道路線維持問題については、年内に道の「基本的な考え方」をまとめるとしていますが、素案は抽象的で、国に対し具体的に何を求めようとしているのか全く見えてきません。
幌延深地層研究計画については、第4期計画は、これまでの「20年程度」としてきた道民との約束を反故にするもので、研究終了期限や埋め戻しの工程などが一切示されない不備の提案です。なし崩し的に最終処分場にされるのではないかとの疑念を抱かざるを得ません。道は、道民の疑問や疑念、不満を真摯に受け止め、延長計画の撤回を求めるべきと質しましたが、予算特別委員会知事総括質疑において、研究期間の延長を容認する考えを表明しました。
IRについて知事は、2021年7月までの国への認定申請を断念する方針を表明する一方で、引き続き誘致を検討する考えを示しました。会派としては、道民の意向把握が十分でない、懸念される様々な課題への対策が不明瞭なことから、誘致の是非すら判断できる状況にはないと強調しました。
人権政策については、「北海道人権施策推進基本方針」の見直しを第2回定例会以降求めてきました。見直しの是非も含め、具体的な内容に言及することを知事は避けてきましたが、予算特別委員会知事総括質疑で基本方針を見直しする考えを示しました。
クラウドファンディングについて道は、北方領土返還要求運動の啓発事業に充てるため、「ほっかいどう応援団会議」のウエブサイトを通じクラウドファンディングで寄付を募集しましたが、目標額の400万円に対し1万5千円しか集まらず募集を終了しました。寄付金が少なかった時に備え予め予算措置をしていましたが、そもそもクラウドファンディングに相応しい事業だったのか疑問が残ります。
日米貿易交渉について、安倍首相は「両国に利益をもたらすウイン・ウイン」の合意と評価していますが、本道にとってはルーズ・ウインでしかありません。知事は「守り」と「攻め」の施策を展開するとしていますが、需要の拡大や輸出拡大の進展、生産量の維持のための取り組み強化が必要と質しました。
法定外目的税については、既に検討を進めている市町村に迷惑をかけないよう、これまで指摘してきた課題をしっかり整理し、適切な税制度となるよう質しました。
大学入学共通テストについては、試験の格差解消と公平性・公正性の担保ができるまで中止を求めるべきと指摘しました。また教職員の変形労働時間制については、改正給特法では長時間労働は改善されず、長期にわたる長時間勤務を容認する過労死促進の制度となる危惧があることを全く認識していないと質しましたが、国会での審議動向を見極め職場環境の整備に努めるとの答弁で、事態の深刻さを重く受け止めていない認識でした。

採択された決議・意見書
(◎は政審発議、○は委員会発議)
◎私立専修学校等における専門的職業人材の育成機能の強化等を求める意見書
◎将来にわたり安全・安心な医療制度の提供を求める意見書
◎大学入学共通テストに関する意見書
◎授業料減免制度の現行水準を維持することを求める意見書
〇日米貿易協定に関する意見書

委員会等における主な質疑
2018年度決算特別委員会
2018年度の道決算を審査する決算特別委員会(池端英昭副委員長)は、11月8日に企業会計と道立病院事業会計を審査、11日から13日の日程で各部審査を行いました。知事総括質疑は当初、14日に行い議了する予定でしたが、知事が皇室行事に出席したことから、総括質疑は21日に変更となりました。
企業会計審査では、池端英昭議員(石狩地域)が工業用水道事業会計、電気事業会計について、松山丈史議員(札幌市豊平区)が病院事業会計について質しました。
第1分科会(菅原和忠委員長)では、池端英昭議員が公安委員会に信号機の設置、警察署・交番・派出所の整備、装備品の整備状況、飲酒運転根絶の取り組み、自転車事故防止の取り組み、特殊詐欺対策について、保健福祉部に少子化対策について、環境生活部に人権政策について、総合政策部に人口減少問題、国際交渉、ふるさと納税、公共交通政策について、出納局に出納事務について、総務部に道財政運営、防災対策、職員採用について質しました。
松山丈史議員が保健福祉部にHACCPの義務化、地域医療について、環境生活部に東京オリンピック2020、プラスチックごみ、地球温暖化について、総合政策部に交通ネットワーク、北海道みんなの日について、総務部に知事公邸、災害対応と防災について質しました。
沖田清志議員(苫小牧市)が総務部に職員の働き方改革等について質しました。
第2分科会(藤川雅司副委員長)では、畠山みのり議員(札幌市南区)が建設部に防災・減災対策について、農政部に農業政策について質しました。
藤川雅司議員(札幌市中央区)が経済部にIR、観光振興機構、外国人労働者等、若年労働者雇用について、教育委員会にいじめ・不登校、外国人児童生徒への教育、学校現場などにおけるハラスメントの防止について質しました。
私は水産林務部に対しホタテガイ漁業の振興について、太平洋沿岸の磯焼け対策について、サケ・マス資源対策について、スルメイカの水揚げ不振対策について、クロマグロの資源管理について、日本海における漁業生産の安定について質させていただきました。
知事総括では松山丈史議員が地域医療構想、交通ネットワーク、災害対応と防災、職員の働き方改革、国際交渉、MICE戦略、北海道観光振興機構、人権政策、東京オリンピック2020、北海道みんなの日について質しました。会派としては次の附帯意見を付して認定しました。
〈附帯意見〉
1.平成30年度決算では、これまで行財政改革に取り組んできた結果、毎年度の収支不足額は着実に改善が図られてきているものの、一方で、実質公債費比率は20.9%と引き続き財政健全化目標である20.8%を上回っている。道債残高についても、令和元年度2定予算の見込みである5兆8,900億円まで増加したことから、財務体質の抜本的な改善が求められる。道は、これまで以上に危機感を持ち、財政の健全化に向けて取り組むべきである。
1.工業用水道事業では、8年連続して純利益を計上したが、累積欠損金は約81億円と多額であることから、引き続き、経営改善を進める必要がある。特に、石狩湾新港地域工業用水道事業の収支状況は、工業用水道事業全体に影響を及ぼしていることから、企業誘致を所管する部局等とともに、企業に対する営業活動の強化に努め、工水需要の拡大に取り組むべきである。
1.本道の病院事業会計について、平成30年度における純損失が5億5千万円余り、また、累積欠損金は533億円を超えるなど、依然として厳しい経営状況が続いている。地方公営企業法の全部適用により、病院事業管理者の裁量のもとで独自の勤務条件の設定や採用機会の拡大などの取り組みが行われているものの、効果は見る限り限定的と言わざるを得ない。したがって、これまで以上に地域医療の役割を担っていくことはもとより、改革推進プランの目標値を確実に達成できるよう取り組みを強化すべきである。

第4回定例会予算特別委員会
第4回定例会予算特別委員会(中川浩利副委員長)は、12月5日から9日の日程で各部審査を行いました。
第1分科会(池端英昭委員長)では、渕上綾子議員(札幌市東区)が道立病院局と保健福祉部にGIDクリニックについて、保健福祉部に発達障がいについて、環境生活部に人権、パートナーシップ制度について質しました。
鈴木一磨議員(北見市)が保健福祉部に公衆浴場対策、地域医療構想について、総合政策部に北海道遺産の管理、通信障害対策、北海道強靱化計画、地域交通対策について、総務部に遊休施設の管理、防災対策について質しました。
中川浩利議員(岩見沢市)が総合政策部に令和2年度の政策検討、ほっかいどう応援団会議を通じた取り組み、北海道人口ビジョン、総務部に北方領土返還要求運動等について質しました。
第2分科会(藤川雅司副委員長)では、小泉真志議員(十勝地域)が農政部に日米貿易協定、CSF、ASF、水田農業政策の確立と米需要調整について、教育委員会に北海道立学校ふるさと応援事業、教職員の超過勤務解消について質しました。
藤川雅司議員(札幌市中央区)が建設部に道路管理の充実強化、除雪体制について、水産林務部に森林環境譲与税について、経済部に幌延深地層研究計画、法定外目的税について、教育委員会に道立学校の校則について質しました。
沖田清志議員(苫小牧市)が経済部にIRについて質しました。
知事総括では沖田清志議員が、令和2年度の政策検討、ほっかいどう応援団会議を通じた取り組み、地域交通対策、日米貿易協定、幌延深地層研究計画、法定外目的税、IR、パートナーシップ制度について質しました。

当面する課題と対応
(1)IRへの対応について
知事は、2021年7月までの国への区域認定申請を見送る一方で、検討を継続する考えも示しました。
我が会派は代表格質問で誘致を見送るに至った経過と理由を質し、知事は「限られた期間の中で、環境への適切な配慮を行うことは不可能」ということを理由に挙げたが、「来たるべき時には誘致に挑戦できるよう所要の準備を進める」との考えも示しました。
我が会派は当初から反対の立場で議論をしてきており、ギャンブル依存症や自然環境への配慮、治安悪化、事業の継続性、道民の意向把握が十分でないことなど、懸念される様々な課題への対策が不明瞭であることを強く指摘しました。
木葉淳議員の一般質問に対しては、「北海道らしいIRの実現に向け、現候補地を基本に誘致の可能性を幅広く検討する」と検討の継続に向けた考えを示しました。しかし知事の言う「北海道らしい」とは一体何を意味するのか。道内外そして外国人観光客が求める「北海道らしさ」とは、まさに魅力ある豊かな自然と食です。ましてや刑法で禁じられている賭博の「もうけ」を、地域振興に活用することが本当の経済政策と言えるのか。
知事は、今回の誘致断念を契機に、自然と食を観光に生かす智恵を最大限に寄せ集め、国際貿易交渉などで厳しい状況に置かれている、北海道の基幹産業でもある一次産業とも連携して、波及効果、相乗効果を生む政策に重点を置くべきです。

(2)幌延深地層研究計画について
日本原子力研究開発機構は8月2日、当初計画で「20年程度」としていた幌延深地層研究センター(幌延町)での研究期間を延長する計画を、道と幌延町に提出しました。
道と幌延町、機構は5回の確認会議を開き、新たに提出された計画の内容を審議しました。
機構は引き続き研究開発が必要と考えられる課題を列挙した上で、「研究課題については、令和2年度以降、第3期及び第4期中長期目標期間を目途に取り組み、地層処分の技術基盤の整備の完了が確認できれば、埋め戻しを行うことを具体的工程として示す」としており、これは第3期中長期計画に基づき「平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋め戻しについて決定する」としてきた既定方針から大きく後退するものです。
研究期間延長の根拠としているのが、「深地層の研究施設計画検討委員会」及び「地層処分研究開発・評価委員会」の評価結果です。
しかし、この評価をもって研究継続の根拠とし、唐突に第4期中長期目標期間を設定して、研究期間が曖昧なまま引き続き課題に取り組むことは、単に技術論に偏ったものであり、幌延町に深地層研究センターが設置された歴史的経過と社会的合意を尊重する点では、機構の態度は誠実とは言い難いものです。
12月6日、知事と幌延町長、機構理事長の三者会談が開催されましたが、知事は単に、「協定は守ります」という答を機構から引き出しただけで、協定当事者の責任を果たしていません。
12月10日の予算特別委員会知事総括質疑で知事は、研究期間の延長を容認しました。
これに対し沖田清志議員は、容認の判断に至った経過や、なし崩し的に最終処分場になるのではないかとの懸念に対し道民に説明するよう求めました。
また9年間で研究終了と受け止めた根拠を質しました。
会派は議会閉会後の12月13日に上京し日本原子力研究開発機構東京事務所で幌延町に深地層研究センターが設置された歴史的経過と社会的合意を尊重すべきであり、その上で、最終処分場にはとしないために、「幌延町における新地層の研究に関する協定書」第4条及び第5条に基づき、地上の施設を閉鎖し、地下施設の埋戻しを求めた要請書を機構に対し提出し意見交換することとしています。
また、総務省に対し地方財政の充実・強化について、
厚生労働省に対し地域医療構想への対応について、医療福祉人材確保と育成について、
農林水産省に対し日米貿易協定にかかる農林水産業への対策について、
国土交通省に対しJR北海道路線維持についても新年度予算等の提言・要望を予定しています。

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