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2022-07-01
第2回定例会閉会
- 2022-07-01 (金)
- ささだブログ
7月1日(金)第2回定例会が閉会しました。
参議院選挙中の定例会であり、総決起集会や出陣、第1声など定例会中の活動も輻輳した議会となりました。
第2回定例道議会は6月14日に開会、令和4年度一般会計補正予算、「救難所員の身分保障制度の確立と救助活動に対する支援に関する意見書」などを可決し、7月1日に閉会しました。
私は保健福祉委員会に付託された議案の民生委員の定数に関する条例案の審議の経過と結果について委員長として報告させていただきました。
代表格質問には須田靖子議員(札幌市手稲区)が立ち、知事の政治姿勢、行財政運営、地方創生の推進、知床沖における小型観光船沈没事故、新型コロナウイルス感染症対策、医療・福祉課題、経済と雇用対策、エネルギー政策、防災・減災対策、交通政策、第1次産業の振興、人権等施策、環境政策、2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致の取組、北方領土返還要求運動、教育の無償化など教育課題について、知事及び教育長の考え方並びに道及び教育庁における取り組みを質しました。
主な審議経過について
冒頭、総額357億円の令和4年度第2回北海道議会定例会提案一般会計補正予算案の内、原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者や生活困窮者等に対する支援事業に対応する分181億円について、先議を行い、我が会派からは6月14日に宮崎アカネ議員(旭川市)が、緊急経済対策に係る認識、道内事業者等事業継続緊急支援金支給事業、飲食店利用促進支援事業費、観光需要確保緊急支援事業費等、道外人材確保緊急支援事業費、子育て世帯臨時特別給付金支給事業費等、市町村高齢者世帯等生活支援事業費補助金、農業分野における原油価格・物価高騰等緊急対策事業費について、知事の所見等を質しました。なお、先議分も含め本定例会に提案された一般会計補正予算を加えた、令和4年度一般会計の総額は、3兆2,622億円となりました。
代表格質問は、知事の政治姿勢として、山積する課題への対応や道独自政策の実現について質しましたが、意気込みだけは語られたものの、総じてこれまでの答弁の繰り返しであり、実績を踏まえた自己評価や反省にはまったく触れておらず、在任中にどのように成果を道民へ示すのか明らかにしませんでした。また、札幌市との関係性についても、緊密な連携の下、北海道全体の発展に向け取組を着実に進めて行くに止まりました。
知床沖の小型観光船沈没事故を踏まえた安全、安心な道内旅行の環境づくりに対しては、緊急的な支援を講じてマイナスイメージの払拭を図ると答弁しました。
また、新型コロナウイルス感染症対策のうち、出口戦略に関しては、道民に今後の道筋を明らかすべきと質したところ、知事からは、引き続き、基本的な感染防止対策の呼びかけに取り組むとともに、緊急経済対策案に基づき事業者及び道民へ緊急的な支援を実施と答弁しました。知事は、従来から「感染予防対策の徹底」と「社会経済活動の回復」の両立を唱えてきた経過があり、今回も踏み込んだ内容に言及することはありませんでした。コロナ通知システムについて、利用促進に向けた具体的取組を質しましたが、政府のコロナ対策の動向を踏まえ、国の方針の変更などに柔軟に対応できるよう、管理・運営していくと述べるに止まりました。我が会派がことあるごとに問うてきた有識者会議における検証作業については、これまで実施した道の対策や対応をしっかり評価、検証し、次の有事に備えるべきと知事の認識を質しましたが、「これまでの道の対応について有識者の意見を伺う」と答えるに止まり、主体的な検証作業に極めて消極的な姿勢を示しました。我が会派からは、国の動向や感染状況を見極めることを条件とせず、各界各層の意見も入れながら、速やかに道独自の検証作業を行うよう、強く指摘を行いました。
医療・福祉課題については、民生委員の担い手確保・育成、成年後見制度の運用、子宮頸がんワクチンの副反応に対する支援体制の充実・強化、がん対策における目標達成に向けた取組について質しました。
更に経済と観光対策については、観光需要喚起策の推進、訪日観光の実証事業ツアーを踏まえた取組、原油価格及び物価高騰に伴う対応について質しました。特に原油価格及び物価高騰に伴う対応に関しては、今回の緊急経済対策が結局一過性の支援に終わる事が大いに懸念されることから、国に対して財政支援等の要請を実施し、必要な財源を確保に努めるべきと求めました。これに対して知事は、全国知事会と連携しながら必要な財源を国に求め、今後の情勢変化に的確に対応すると答弁しました。
続いて、エネルギー政策については、再稼働の事前了解権に関して、周辺自治体から強い不公平感が表明されていることを国へ伝えるべきと求めましたが、知事は主体的に動く姿勢を見せず、国任せの姿勢は、極めて不誠実と言わざるを得ません。
また、防災・減災対策では、日本海溝・千島海溝巨大地震、本年2月に発生した札幌圏を中心とした大雪について質しました。特に大雪に対する対応に関して、知事から次の降雪期に備えた具体的スケジュールが示されなかったことは不満であり、議会議論が確実に反映されるシステムやスケジュールとなるよう求めました。交通政策については、鉄道貨物の利用促進、公共交通政策の展開、丘珠空港の滑走路延長について質しました。
第1次産業の振興について、農業政策に関しては、遺伝子組換え作物等の対策、てん菜の生産減、肥料高騰対策、水田活用の直接支払交付金見直しについて質しました。このうち水田活用の直接支払交付金見直しに対しては、連絡会議の下で必要な検討を進めるとの答弁があったことから、知事には、各地における営農に支障が出ないよう、見通しを持った先回りの対策を講じるよう指摘しました。また、林業政策については、ウッドショックによる道産建築材の供給拡大の取組を、更に水産業政策では、北方四島周辺水域における安全操業協定について質しました。安全操業協定に対して知事は、これまで同様に安全操業が行われ、地域経済に影響を与えることがないよう、取り組むと答弁したことから、安全操業協定の中断は、周辺水域漁業者にとって死活問題であり、継続的に漁業経営ができるよう、必要な対応と適正な支援を強く求めました。
人権等施策については、北海道人権施策推進基本方針の地域社会と事業者への反映、パートナーシップ制度、こども家庭庁の創設に伴う道としての取組について、また、環境政策では脱炭素先行地域選定に向けた取組について質しました。更に、2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致の取組に関しては、真駒内屋内競技場の取り扱いについて質しましたが、現時点で想定される改修内容等について札幌市と調整・協議を進めていくと述べるに止まりました。また、ロシアのウクライナ侵攻により一段と混迷を増した北方領土返還要求運動については、今後の運動の進め方を質しましたが、知事は、関係団体や元島民等と連携を強化し、粘り強く取り組むと述べるに止まりました。
最後に教育課題として、教員免許更新制度廃止等、教育の無償化、小中高の一貫した学力向上について質しました。とりわけ小中高の一貫した学力向上については、教育行政としてやるべき事をやらずに、教員不足を助長させ、ひいては真の学力向上を阻害することに繋がりかねないと厳しく指摘しましたが、教育長は、各学校段階での取組をこれまで以上に効果的に推進できるよう支援していくと答弁しました。
採択された決議・意見書
(◎は政審・会派発議、○は委員会発議)
◎救難所員の身分保障制度の確立と救助活動に対する支援に関する意見書
◎地方財政の充実・強化を求める意見書
◎令和4年度北海道最低賃金の改正及び中小企業支援等に関する意見書
◎環境教育の推進及びカーボンニュートラル達成に向けた学校施設のZEB(ネット・ゼ ロ・エネルギー・ビル)化のさらなる推進を求める意見書
○森林・林業・木材産業によるグリーン成長に向けた施策の充実・強化を求める意見書
○国土強靭化に資する道路の整備等に関する意見書
○義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・拡充を求める意見書
◯私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書
当面する課題と対応
(1)新型コロナウイルス感染症対策の検証作業について
新型コロナウイルス感染症対策については、これまで幾度となく議会議論を重ねてきた。道内の感染状況は、前週と比較すると改善をした。新規感染者数は減少し、専門家からは今のところ増加に転じる兆候はないとの見解が示されている。ただし、人の移動の活発化に伴い、感染者が増加傾向にある本州の大都市圏からウイルスが流入する可能性がある。
引き続き、状況に応じた基本的な感染予防策の継続が必要と考えるが、一方で国内のイベントや旅行が再開し、日常を取り戻しつつあるように見える。
こうした状況下において、改めて次の感染拡大に備えて、この間の対策等の評価、検証を行い、今後の対策等の実効性を持たることが極めて重要と考える。
しかし、我が会派が、代表格質問をはじめ予算特別委員会の各部審査や総括質疑において、繰り返し速やかな検証の実施を指摘してきたが、知事は、「今後検討される国の考え方を確認した上で、有識者会議を開催し、意見を伺い、今後の取組に繋げていく」との答弁に終始し、着手の時期も明らかにしてこなかった。
これでは有事の際、再び道民や事業者に無用な不安と混乱を招きかねない。新型コロナウイルス感染症対策は多岐に亘り、また、所管する部も複数に亘る。正に道庁が一丸となって対応すべき課題である。知事には、国任せではなく、主体的な徹底検証の速やかな実施を求めていく。
(2)原油価格・物価高騰対策について
新型コロナウイルス感染症流行の長期化による影響が依然として続いている中、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴う原油や食料などの物価高騰が国民生活を脅かしている。急激な円安が物価高に拍車をかけ、困窮世帯への給付などの一時的な支援では、道民の生命と財産を守るには全く足りていない状況であることは明白である。
また、物価高の影響は、本道の基幹産業である第1次産業をはじめ様々な分野にすでに深刻な影響を及ぼしており、消費者への影響も更に拡大する恐れがある。コロナから回復基調にあった事業者や道民の日常が再び苦境に立たされないよう、「必要な支援が必要な人に」漏れなく速やかに行き届くよう、国に対して更なる財政支援を強く要求すべきと考えるが、知事は、予算特別委員会総括質疑における我が会派からの追加支援に関する質問について「当面、対策の幅広い周知に取り組むとともに、経済状況に応じた必要な対応を検討する」と消極的な答弁に止まった。
今回の対策の効果を見極めた上での検討は、支援が、道民や事業者に届くまで相当の時間を要する。切れ間のない支援を講じるためには、財源の確保は急務であり、知事には、一刻も早い追加の財政支援を国へ要請するよう強く求めていく。
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