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第3回定例道議会閉会

10月7日(金)第3回定例会が閉会しました。
第3回定例道議会は9月13日に開会し令和4年度一般会計補正予算、「朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射に抗議する決議」などを可決し、10月7日に閉会しました。
代表質問には沖田清志議員(苫小牧市)が立ち、知事の政治姿勢、新型コロナウイルス感染症対策、交通政策、医療・福祉課題、経済と雇用対策、エネルギー政策、防災・減災対策、第1次産業の振興、人権等施策、消費者行政、北方領土返還要求運動、教育課題について知事並びに教育長の考え方並びに道及び教育庁における取り組みを質しました。
主な審議経過について
道は、定例会開会日冒頭、原油価格や物価高騰等に伴う事業者の経営環境や道民生活への影響に対応した緊急経済対策に要する経費をはじめ、当面措置を要する経費など総額454億3,900万円の令和4年度一般会計補正予算案を提出しました。
補正予算は燃料費等の高騰により影響を受けている運送事業者の事業継続を図るため16億200万円、新型コロナウイルス感染症患者の治療等のため日々最前線で勤務されている医療従事者の方々に感謝品を贈呈するため4億2,100万円などを計上しました。
また、最終日の10月7日に電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金129億3,500万円を活用した追加提案補正予算が提出されたことから、質疑を行い、会派からは壬生勝則議員(釧路市)が追加提案に関する考え方、節電プログラム参加促進事業、製造業省エネルギー環境整備緊急事業費、道産食品消費喚起対策事業費、医療・社会福祉施設等物価高騰対策事業費、酪農畜産経営安定化支援緊急事業費及び今後の対応について知事の所見等を質しました。
追加提案補正予算を含め本定例会に提案された一般会計補正予算を加えた令和4年度一般会計の総額は3兆3,205億6,200万円となりました。
代表質問では知事の政治姿勢として、知事のあるべき姿とリーダーシップについて質しましたが「国に対して主張すべきものは主張し、本道の成長につながる政策に挑戦する」と質問の主旨には明確に応じず、不誠実な答弁に止まりました。
また、3年半に及ぶ任期の自己評価と残りの在任期間における道政運営については「公約に掲げた政策の推進に尽力してきた、本道の将来を見据えた取組を着実に進める」と自身の決意や思いは述べたものの、肝心な部分には触れることなく、全く具体性に欠ける答弁に終始しました。
さらに国葬への対応については「参列する」と判断した理由や政府の「喪の服し方」への受け止めを質しましたが、「正式な案内があり、日程的にも支障がないことから対応するとした」また、半旗掲揚や黙とうに関しては「道が行政機関として弔意を示すため、本庁及び振興局庁舎は半旗を掲揚を行うが、教育庁や市町村には求めない。黙とうも各個人の主体性に委ねるとした」と従来からの考え方を繰り返すに止まりました。
減少傾向は見られますが、未だ先行きが不透明な新型コロナウイルス感染症については「BA.5対策強化宣言の効果と課題」、「これまでの対策の効果検証の早期実施」、「行動制限緩和の認識と感染拡大防止策」、「円滑なワクチン接種の体制づくり」、「後遺症に対する支援体制の充実」の5項目に絞り込んで質しましたが、総体的に「国任せ」あるいは「国頼み」といった主体性に欠ける答弁に終始しました。
また、「いつまで達成するのか」という明確なゴールを示さないいつもの論調は、道民の不満や不安の解消に繋がっておらず極めて不満です。
交通政策では、特に「新千歳空港の機能強化」(スルー化)に関して「道が主体性を発揮すべき」と質しましたが、「国へ要請」との考えを貫き、自ら精力的に動こうとする姿勢は示しませんでした。
医療・福祉課題に関しては、「子育て支援の充実、強化」並びに「子宮頸がん検診における自己採取検査の取組」について質しました。
経済と雇用対策では「物価高騰対策」、「本道の優位性を活かした企業誘致」、「観光需要喚起策」、「観光振興機構の自立と機能強化」、「ウィズコロナにおける中小企業支援」、「中小企業や小規模事業者が賃上げしやすい政策」について質しました。
これに対して物価高騰対策では補正予算での提案とともに、今後も支援ニーズを的確に把握し、必要な対策の検討を加速する。
また、観光需要喚起策については、国の方針が示され次第、需要喚起策を切れ目なく実施すると答弁しました。
エネルギー政策については「国のエネルギー政策基本方針の転換」、「北本連系設備」について、防災・減災対策では「日本海溝・千島海溝巨大地震」、今冬の札幌圏を中心にあらゆる機能がマヒした大規模な雪害を踏まえた「大雪対策」について質しました。
第1次産業の振興については農業政策では、「肥料及び飼料の価格高騰対策」、「生乳生産に係る需給安定対策」、「大雨災害等に係る農業支援」を、林業政策では「道産木材の需要に対する支援」、「森林・林業・木材産業によるグリーン成長の実現」を、水産業政策では「競争力強化」、「北方領土周辺水域での安全操業の確保」、「栽培・養殖の推進」を質しました。肥料及び飼料の価格高騰対策では国の補正だけは不十分との認識から道自らの適切な支援の取組を求めたが、道独自の追加支援策は示されませんでした。
人権等施策については、とりわけ道における「パートナーシップ制度」の早急な導入への認識を質しましたが、「多様性への理解の深化が重要」とのこれまでと何ら変わらない繰り返しに終始し、全く噛み合わない議論に失望感だけが強まりました。
旧統一教会を巡る「悪質商法」が社会問題となっていることへの対策については、道民への注意喚起や相談窓口の設置の取組が必要と指摘したところ、関係機関等と連携し、啓発活動や相談業務を通じて、消費生活の安全・安心の確保に努めると答弁しました。
ウクライナ情勢によるロシアとの関係悪化が北方領土返還要求運動にも暗い影を落としていることを踏まえ、知事自ら周辺地域に赴き、元島民の方々へ直接、今後の決意などを伝えることが肝要と指摘しましたが、動画の積極的な活用などを通じてメッセージを発信していくと述べるに止まりました。
教育課題では「教職員の長時間労働是正」、「部活動の地域移行」、「教員免許更新制廃止に伴う新たな研修制度」について質しました。
特に長時間労働の是正については、現場では一向に時間外勤務縮減の実効性が図られないことから、抜本的な負担軽減策を講ずるべきと教育長へ質しましたが、これまで講じてきた対策の実行を繰り返すに止まり、前向きに取り組む意欲的な姿勢が見られず、大変不満な答弁となりました。
 採択された決議・意見書
(◎は政審・会派発議、○は委員会発議)
◎朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射に抗議する決議
◎法律の規定に基づき、地域の実情を踏まえた衆議院議員小選挙区の区割りの改定を求める意見書
◎女性デジタル人材育成を協力に推進するための支援を求める意見書

当面する課題と対応
今定例会において我が会派は、9月27日の安倍晋三元首相の国葬に関し、参列すると判断した理由などを質してきました。
知事は「国民が哀悼の意を寄せる機会が設けられることについては賛成」と述べ、「国の儀式への正式な案内があったことから、知事として公務で出席することとした」と従来の考えを繰り返しました。
国論を二分するほど関心が高い問題であるのも関わらず、「なぜ」、「どうして」の疑問符を解消するような発言は聞こえてきませんでした。
数々の疑問点を曖昧なまま放置し、国葬を強行したことにより国民の分断はむしろ深まったのではないでしょうか。
修復が必要だが、知事の姿勢は、いつものどおり「国任せ」に映ります。
政府が招待状を送って「踏み絵」を迫ったに等しい今回の国葬、賛否の割れる儀式に唯々諾々と出席する姿は地方自治にとって如何なものか。
全国には、主体的な判断で欠席した首長もいました。
我が会派の代表質問の中で一例を紹介しましたが、知事はまったく聞く耳を持ってはいませんでした。
公務として公費で参列した事により、北海道でも当然ながら反対の声は上がっています。
道内における分断が拡散しないよう、知事には道民に対して丁寧な説明が必要と考えます。
道民の国葬に関する「なぜ」、「どうして」の疑問符に応えるのは知事の責務と考えますが、今後、国の検証作業、あるいは国会審査でどのような議論がされるのか。今後の推移を着目します。
道政検証について
新聞報道にもあったとおり我が会派は、鈴木知事1期目の道政運営の検証を行い、その結果を先月取りまとめました。
我が会派で取りまとめた道政検証の中の「知事の政治姿勢と道政運営」では、現在の知事は、「道民世論の高支持を得る事(或いは支持を低下させない事)が目的化した政策判断」が成されているように目に映ります。
「道民目線」重視を前提に失敗を恐れず、自ら正しいと信じた方針に則って行動した知事の姿は、年を追うごとに確認できなくなりました。と分析します。
前述の具体的な一例として、2020年8月、当時、寿都町が国の高レベル放射性廃棄最終物処分場候補地選定の第1段階にあたる「文献調査」の受け入れに関して、知事は「(自治体が)新型コロナ(ウイルス)で本当に厳しい状況にある。交付金は得がたい。その気持ちは分かる」とした上で「頰を札束でたたくようなやり方で(応募に)手を挙げる自治体を求めていくという(国の)やり方に疑問を持つ人も多い」と国の姿勢を批判しました。
しかし、最近はこうした自身の思いを吐露する事が、まったくと言っていいほど鳴りを潜めています。そう感じている方は、決して少なくないと思います。
「誰に気を遣っているのか」、「何を恐れているのか」その理由は判然としませんが、このままでは政権の意向に唯々諾々と従っていた前道政に逆戻りする事も大いに懸念されます。今の知事には、力強いリーダーシップが感じられず、北海道の未来への展望はまったく見えてきません。
知事は、地域実態を踏まえた明確なビジョンと戦略性を持って地域づくりの先頭に立つべきですが、その「意識」も「覚悟」も希薄であり、これ以上同じ状況が続くことを看過できない。とするのが現時点での評価です。
なお、我が会派では、本定例会の代表質問において、2期目出馬に関して知事自身の考えを質しましたが、「まずは日々の様々な課題に全力で取り組んでまいる。」とお定まりの答弁に止まり、踏み込んだ発言はありませんでした。
新聞報道では、「現職の出馬表明は、年末か年明けになるとみられる」とされていますが、正式な出馬表明がなされた以降も、我が会派は、ぶれることなく、本検証をベースに「姿勢や意気込みだけでは、道民の生活は豊かにならない。知事が提唱する『輝き続ける北海道』がいつ実現するのか」を様々な場面を通して追求していきます。

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