- 2015-12-18 (金) 23:52
- ささだブログ
12月15日(火)から18日(金)まで新幹線・総合交通体系対策特別委員会で北陸新幹線開業から1年が経過する富山県、石川県、京都府で開業後の状況について調査しました。
1日目は移動日で午後からの調査でしたが、富山県議会で事務局から開業後の交通ネットワークや並行在来線、富山空港などの状況について調査させていただきました。
北海道より約1年先になる今年3月14日に開業した北陸新幹線は、富山・東京間を3時間11分から1時間3分短縮の2時間8分で結びます。
開業当初は金沢独り勝ちといわれていましたが、県内関係者の取り組みなどにより富山県にもその効果が発現し立山黒部や宇奈月温泉の利用客の大幅増加や本社機能の県内移転など観光以外にも波及しています。
半面富山空港は苦戦していますが、総じて観光客入込は増加しています。
次に今年8月に開館した富山ガラス美術館を視察調査しました。
「ガラスの街とやま」を目指した街づくりの集大成として開館した美術館で富山産木材やガラスや鏡をふんだんに使用した豪華な建物となっています。
中でも1階から6階まで吹き抜けの中に斜めに設置されたエスカレーターは明るく美術館のイメージを反映した作りとなっています。(ホームページはこちら)
2日目は第3セクター富山ライトレール㈱を訪問し搭乗もさせていただき、車両の整備センターなど調査しました。
富山市も人口減少・高齢化、自動車依存、市街地空洞化などにより都市管理コストが課題となっています。
富山ライトレールはLRT(Light Rail Transitの略で、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する次世代の軌道系交通システム)によるネットワークにより利用者の減少が続いていたJR富山港線を大幅に利用者増に結び付けました。取り組みは運行間隔の短縮、終電時間の繰り下げ、運賃の均一化などにより、開業前より平日で2.1倍、休日では3.6倍に大幅に増加させることに成功しました。利用者のうち約12%が自動車から転換した方です。チャレンジが成功した経緯には市長の思いが強かったことも大きな要因です。
次に北陸新幹線「かがやき」で金沢に移動し金沢城・兼六園事務所で開業効果について調査させていただきました。
予想通り今年は大幅に来園者が増加しており、これまで兼六園で40%、金沢城公園で80%の増加です。課題は今後の来園者確保対策です。飽きられない観光地として季節ごとのイベントや常用文化財の特別公開、無料開園などを組み合わせて通年での来園者確保対策を検討しており安心してはいないようです。
2日目の最後は並行在来線として経営分離されたJR北陸線を運行する「IRいしかわ鉄道㈱」を訪問しての調査でした。
北海道でも来年開業するいさりび鉄道と比較しながら説明を聞かせていただきました。当然ながら旅客運賃だけでは赤字です。県と沿線自治体、経済団体から構成される協議会でマイレール意識の醸成、駅活用のイベント開催などで対策していますが、安全性を最優先にして安定した運行、利便性の確保には費用対効果との葛藤があるようです。
しかし、この区間は通勤・通学で1日あたり約2万人の利用がある日常生活に欠かすことができない路線、貨物輸送路線でもあり「いさりび鉄道」と課題も共有しますが、利用客数が圧倒的に違います。
3日目は金沢駅で辻駅長から施設概要の説明を受けました。
金沢駅は全国でも豪華な駅として有名ですが、外観は正面に「おもてなしドーム」として優雅な曲線で作られた屋根が設けられ、外壁は伝統工芸の金沢漆器をイメージした黒色で神秘的な金沢らしさを表現しています。駅舎内は31品目の県内各種の伝統工芸品が随所に用いられています。中でもホームの60本の柱には金箔パネルが設置されており2万枚の金箔が使用されています。
午後は京都舞鶴港に移動し国際貿易港としての状況や課題について調査しました。
舞鶴港は小樽との間で東日本フェリーが毎日運航していることから北海道とも縁の深い港です。近年は物流もさることながら外航クルーズ船や国際フェリー機能強化に向けた整備や交通ネットワーク、近隣自治体との連携したPRにより利活用増対策を実施しています。
古来より北前船の寄港地とも知られ、日本海側でも有数の商業港として栄え、軍港として飛躍的に発展しました。戦後はシベリア抑留等からの引き揚げの際も多数の船が舞鶴港に帰港ました。
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