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2022-03

七飯町長選挙

IMG_25963月27日(日)七飯町長の投開票の結果、杉原 太氏が新人4名の混戦を制し当選しました。
活躍に期待しています。
当 6,053 杉原  太 59 無新
  3,594 中川 友規 39 無新
  3,090 佐々木陵二 48 無新
  1,176 日下 道子 40 無新

 

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参院選対発足

IMG_25943月27日(日)は札幌市内ホテルで立憲民主党道連常任幹事会、引き続き第26回参議院選挙選対本部発足総会が開催されました。
常幹ではウクライナ情勢、物価上昇対策、経済安全保障法、参院対策など議論されました。
参院選は選対本部が発足し2名必勝に向けた取り組みが進められます。

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北斗茂辺地・木古内間開通

IMG_24663月26日(土)念願の函館・江差自動車道北斗茂辺地IC~木古内ICがきょう開通しました。
延長は16㎞約22分短縮で様々に期待されます。

IMG_2463今後は江差までの延長、松前半島道路、大沼公園七飯間の早期完成がさらに期待されます。
木古内町で開催された開通式には北斗市、木古内町はじめ各地から関係者や関係機関が結集して開通をお祝いしました。

IMG_2482私もくす玉を割り参加しました。

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第1回定例道議会閉会

DSC_00183月24日(水)第1回定例道議会が終了しました。
2月25日(金)に開会し、2022年度一般会計予算案、「ロシアによるウクライナへの軍事侵略に対する決議」などを可決し閉会しました。
代表質問には、私が立ち、知事の政治姿勢、行財政運営、地方創生の推進、新型コロナウイルス感染症対策に係る取り組み、医療・福祉課題、経済と雇用対策、エネルギー政策、防災・減災対策、交通政策、第1次産業の振興、人権等施策、環境政策、2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会、北方領土問題、教育課題について質疑しました。
今定例会は冒頭667億円の2021年度一般会計補正予算の先議を行い、2月25日に宮崎アカネ(旭川市)議員が、国の補正予算に関する認識、農林水産業関連予算、コロナ禍における学びの保障、北海道GoToトラベル事業費、観光誘客促進道民割引事業費、交通事業者利用促進支援事業費、中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援事業費補助金について質しました。また、最終補正予算については、事業費が見込みを下回ることが確定したことから一般会計で772億1,609万円減額の措置が講じられました。
なお、主な増額補正では、減債基金積立金で510億円、生活福祉資金貸付事業費補助金92億1,000万円などが計上されました。
一方で主の減額補正では、中小企業総合振興資金貸付金が1,255億1,080万円、保健福祉関係義務的経費47億5,517万円などが計上されました。

DSC_0008最終補正予算は予算特別委員会で審議され、会派は財政運営、生活福祉資金貸付、中小企業総合振興資金貸付金、国民健康保険特別会計、ふるさと寄附基金、新エネルギー導入加速化基金について質しました。
これにより、知事が提案した2021年度一般会計予算の最終総額は3兆6,395億4,999万円となりました。
一方、2022年度一般会計当初予算案は、前年度当初比で0.8%減の3兆2,262億円で過去5番目の規模となり、借換債を除く事業費ベースでも前年度当初比で0.9%減となっています。
歳入における道税収入は8.5%の増。その内の地方消費税が4.5%の増となりました。地方交付税は1.0%の増となった一方、道債は14.4%減の5,179億円を発行します。一般財源に占める借金の割合を示す実質公債費比率は2022年度で19.2%と推計されています。
代表質問の主な課題のうち、知事の政治姿勢としては、道政運営の自己評価と残り1年となった任期期間の重点施策を質しましたが、感染症対策と社会経済活動の両立に全力で取り組んできたと評価しましたが、達成できなかった点にはいっさい触れることはなく、誠実さに欠ける答弁でした。
また、「道民の暮らしと命」を守る取組に万全を期すと述べたものの、具体的な施策には言及しませんでした。
さらに新型コロナウルス感染症対策、ゼロカーボン北海道の実現、人権施策などの全庁的に取り組む行政課題については、迅速かつ的確に対応するため組織の機構改革の在り方について指摘しましたが、組織の総合力を発揮できる組織体制となるよう不断の見直しを行うと応じるに止まり、組織改革に積極的に取り組む姿勢は見られませんでした。
新型コロナウイルス感染症対策については、道民から見て非常に分かりづらいまん延等重点措置などの適用や解除に関する新指標や重症化や感染予防のための3回目のワクチン接種の促進などについて質してきました。いずれの課題も基本的にこれまでの答弁の域を出ない答弁に終始しました。
各対策は国の動向を踏まえた「後追い的・補完的な事業」であり、道独自の施策の追求には至っていません。これまでの対策の評価と検証をしっかり行うことが重要であり、今後も追求する必要があります。
また、経済と雇用に関する対策も、長期化するコロナ禍に伴う施策が主であるが、第三者認証制度、経済的な事業者支援、観光振興などについて認識や取組を質してきました。加えて、燃油価格高騰への対策については、業種別支援や生活困窮者支援への速やかな措置を講ずるよう求めましたが、必要に応じて国へ対策を要請するとの答弁に止まりました。
また、記録的な大雪による雪害対策に関しては、知事は一連の対応の検証と対応策の検討に触れたことから、その推移を注視していきます。
交通政策については、JR北海道の路線維持や鉄道の雪害への対応について質してきました。路線問題については、これまでの道のスタンスを超えるような発言はありませんでした。雪害への対応については、5中旬までに今後の対応策を取りまとめるとの考えを示しました。

第1次産業の振興について、農業政策では、農業を取り巻く厳しい状況への対応、水田活用の直接支払交付金の給付要件の厳格化を、林業政策では、林業・木材産業の振興を、水産業政策では、昨年発生した「赤潮」被害への対応や養殖漁業への支援策について質しました。
このうち水田活用直接支払交付金については連絡会議の検討を踏まえ取り組むと答弁しました。
「赤潮」被害への支援もこれまで打ち出してきた支援策の促進に止まりました。
第1次産業改題全般にわたり「持続的な発展」、「着実かつ的確な対応」の繰り返しに終始しました。
人権等施策については、我が会派がこれまで継続して追求してきた人権施策推進基本方針の各分野別計画への反映と道におけるパートナーシップ制度の導入について質しました。推進基本方針の反映に関しては全庁一体となって取り組むと述べましたが、現状認識には実態と大きく隔たりがあると感じました。
また、パートナーシップ制度の導入に関しても若干、前向きな発言はあったものの、総体的にはこれまでと変わらない答弁に止まりました。
環境政策では、脱炭素社会の推進において、CO2削減に向けた分野別の具体的な数値目標の提示を求めましたが、地球温暖化対策推進計画の中期目標や関連する計画における「取組の補助指標」により、着実な推進を図ると述べるにとどまりました。
2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会の誘致に関連して、真駒内の道有施設(真駒内競技場)の活用について質しました。当該施設の具体的な活用方法は札幌市と情報の共有化を図りつつ、道としては「長寿命化計画」に基づき維持管理や補修を行うと答弁しました。
北方領土問題については、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に伴う北方領土返還要求運動に対する取組姿勢や北方四島交流等事業の早期再開について質したところ、知事は、ロシアの侵略下においても幅広い啓発活動に積極的に取り組むとともに、ウクライナ情勢やコロナの感染状況が改善次第、再開できるよう準備を進めるとの答弁がありました。
教育課題に関しては、「教員の欠員」解消、教員の働き方改革、ヤングケアラー、学校徴収金支出の増大、いじめ問題、教育施設(ネイパル)の管理について質しました。
とりわけ「教員の欠員」解消は、いじめ問題の解決やヤングケアラー支援に繋がる重要な課題であると指摘しました。
また、教育施設の管理については、早急な真相究明と道民の教育に対する信頼回復を強く求めました。
知事並びに教育長からは欠員の解消への必要性は認識するものの、実効性が伴う具体的施策は示されませんでした。
また、教育施設の管理については、不正行為の全容解明、知事部局と教育庁と連携のもと、再発防止策の検討を進めると述べるに止まり、知事及び教育長自らの責任に言及はありませんでした。
会派はこうした議論経過などから、2022年度一般会計予算案については、組み替えを求める動議を提出し反対しました。
動議の提案趣旨は、別に記載します。

採択された決議・意見書 (◎は政審発議、○は委員会発議)

◎ロシアによるウクライナへの軍事侵略に対する決議

◎台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)参加 を積極的に支援するよう求める意見書

◎地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書

◎北方四島へのロシア法令に基づく「特恵制度」に対する意見書

○水田活用の直接支払交付金の見直しに関する意見書

○豪雪地帯における介護事業所への適切な評価を求める意見書

なお、会派は提案があった決議・意見書のうち「台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)参加を積極的に支援するよう求める意見書」について、本会議において反対討論の主旨は別に記載します。

DSC_0016代表質問の要旨  (○は質問者発言、●は答弁者発言)
笹田  浩 議員(渡島地域)

1.知事の政治姿勢について

(1)令和3年度の道政運営の評価

 ○コロナ禍のこの1年。政策に対する評価と達成できなかった点は何か。

 ●誘客活動の推進等が遅れたが、総力を挙げ取り組んだ。ポストコロナ見据え取り組む。

(2)令和4年度重点政策について

 ○残任期で公約実現は可能か。厳しい道財政で新たな政策展開にどう取り組むのか。

 ●手法を工夫し着実な施策推進に努めてきた。将来を見据えた先進的な取組を進める。

(3)道政の進行管理について

 ○各種計画の指導監督、進捗状況や成果の把握、課題への対処状況はどうなっている。

 ●適切なPDCAサイクルで総合計画や各種計画の進捗を把握し施策推進に努める。

(4)国と自治体の連携の在り方について

 ○地方制度調査会で知事会は自治体権限強化を主張。道と市町村でも役割分担明確化を。

 ●国に権限委譲や規制緩和を求めている。分権型社会の実現に向け取り組む。

(5)機構改革について

 ○成果目標が不明瞭な組織もある。どのような考え方や目標を持ち機構改革してるのか。

 ●道政課題に効果的に対応する必要な体制を構築し、質の高い行政サービスを提供する。

2.行財政運営について

(1)政策財源の確保について

 ○「稼ぐ道政」を標榜する知事として次年度予算で民間資金獲得の取組と成果は。

 ●幅広い支援と参画を得ながら政策を推進。継続的な働きかけなどで協力を呼びかける。

(2)財政健全化に向けた取組について

 ○コロナ禍を理由とせずR7年度までの計画期間を通じた収支対策を示すべきだ。

 ●R6年度以降は感染症や国の動向等を踏まえ、収支を精査し財政健全化に取り組む。

3.地方創生の推進について

(1)SDGsの推進について

 ○世界の中で輝き続ける北海道のために必要な施策等を早期に示すべき。

 ●道民が理念に共感し行動に繋げることが重要。有識者の意見も伺い理念浸透を図る。

(2)働き方改革について

 ○テレワークが加速したが、ワークスタイルは変化していない。目標値設定も必要だ。

 ●多様な働き方の選択は大変重要。市町村と一体で地域活性化に結びつくよう取り組む。

4.新型コロナウイルス感染症対策について

(1)まん延防止等重点措置の延長について

 ○これまでの対策の効果や解除基準を示し、道民が協力する機運をつくるべき。

 ●協力により新規感染者は減少傾向。解除の考え方は国と協議し道民へ丁寧に説明する。

(2)新指標について

 ○新たな株の特性分析・検証の上、新指標作成や独自対策の実行など柔軟な対応が必要。

 ●新株の特性を踏まえ前倒しでまん防を要請。国の科学的知見等を踏まえ対策を講じる。

(3)ワクチン接種について

 ○低調な3回目接種にどう対応するのか。4回目以降の接種も早期に方針を示すべき。

 ●実情に即した市町村支援に取り組む。中長期的な接種の考え方は必要に応じ提供する。

 ○小児への接種は不安や疑問を解消し、安心して接種できる環境づくりが必要だ。

 ●十分な理解のもと接種の判断ができるよう様々な媒体で周知し、課題解消に努める。

(4)経口治療薬・中和抗体薬について

 ○適切な時期に処方や投与ができるよう早急に体制整備すべき。

 ●経口治療薬は全保健所管内で投薬体制を確保。症状に即した治療体制の整備に努める。

(5)積極的疫学調査について

 ○感染急拡大により調査を重点化したが、今回の転換は恒常的なのか限定的なのか。

 ●新たな知見等を踏まえた国の動きや地域の感染状況、保健所の状況も踏まえ対応。

(6)PCR等検査体制について

 ○無料検査に限らず検査必要者がすぐに受検できる体制整備と検査件数拡充が必要だ。

 ●多様な取組を進めつつ、より迅速、円滑に受検できる検査体制の充実強化に取り組む。

(7)まん延防止等重点措置期間中の飲食店に対する見回りについて

 ○行政指導は期間中に命令まで進むのは困難。不公平感のない厳正な対応をすべき。

 ●よりきめ細かな対応に努め、納得の得られる実効的対応を国に求めたい。

(8)事業者支援について

 ○協力支援金は一律基準ではなく、期間の長期化に応じた割増等も必要ではないか。

 ●事業者の実情に配慮した手厚い支援を国に求めてきた。事業者の経営安定に取り組む。

5.医療・福祉課題について

(1)妊よう性温存療法について

 ○指定病院は札幌圏に集中。地方居住者も円滑な利用ができる支援体制を充実すべき。

 ●相談支援の研修会や企業向けセミナーを開催。卵子等保管設備支援を国に要望する。

(2)在宅医療的ケア児への支援について

 ○札幌近郊に設置する支援センターの機能は。全道域の課題把握をどう取り組むのか。

 ●研修実施や地域での必要な支援に繋げる。適切な支援体制構築を市町村に働きかける。

(3)成年後見制度について

 ○制度利用者が正しく理解する丁寧な周知や、課題のある現制度の見直しも必要だ。

 ●メリットや有用な手法を紹介。見直しまでアドバイザー派遣や国に財政措置も要望。

6.経済と雇用対策について

(1)第三者認証制度について

 ○未取得店との差がほぼないなど、制度矛盾を改善する必要性があるのではないか。

 ●取得メリットが都道府県裁量で明確化できるよう基本的対処方針見直しを国に要望。

(2)長引くコロナ感染症拡大下での事業者支援について

 ○まん防延長によりゼロゼロ融資返済などで窮地となる事業者への柔軟な対応が必要。

 ●ゼロゼロ融資等の返済含め積極的な条件変更の対応を金融機関に引き続き要請。

(3)北海道の観光振興について

 ○ATWS開催に向け本道の観光資源を世界に発信し誘客に繋げる施策の展開を。

 ●魅力あるコース設定やガイド育成、JNTO海外事務所と連携しプロモーションを展開。

(4)建設産業の振興について

 ○労働者不足により公共工事にも支障が出始めている。安定的確保にどう取り組むのか。

 ●就業環境改善等への支援を継続し、関係団体の意見も伺い新支援プラン策定を検討。

(5)燃料価格高騰対策について

 ○ガソリン等を多く使用する事業者は死活問題。業種別や生活困窮者へ支援措置が必要。

 ●福祉灯油交付基準額を引上げた。道民や産業への影響緩和に向け対策強化を国に要請。

7.エネルギー政策について

 ○放射性廃棄物最終処分場選定は道民全体の学習・議論の場を設定することが急務だ。

 ●概要調査移行時には反対の意見表明する。条例趣旨や道の考えを丁寧に情報発信する。

8.防災・減災対策について

(1)日本海溝・千島海溝巨大地震について

 ○沿岸自治体ごとの被害想定と防災対策を今後示すが自治体支援はどう取り組むのか。

 ●6月中に被害想定、年内に減災目標を策定し、防災・減災対策の充実強化に取り組む。

(2)雪害対策について

 ○今回の雪害をどう受け止めるのか。生活道路除排雪は後回しで通学路の安全確保は。

 ●大きな影響が及んだことは重く受け止める。今後、検証し機動的な対応策を検討する。

 ●通学路交通安全プログラムに基づき市町村教委に指導助言するなど安全対策を徹底。

9.交通政策について

(1)JR維持存続について

 ○このままでは採算性のない地方路線は廃止に。持続的な鉄道網確立へどう取り組む。

 ●鉄道利用促進の成果が挙がるよう取り組む。JRにも路線維持や活性化を求める。

(2)国における地域モビリティの刷新に関する検討会について

 ○現在の維持困難線区協議と検討会の関わりは。国に地域実情等を訴えることも必要だ。

 ●JR北海道は国からの監督命令により取組中。検討会の動向注視し必要な対応をする。

(3)鉄道の除排雪対策について

 ○JRに全責任を押しつけず安全・安心な移動手段確保に必要な対策を講じるべき。

 ●JRが国に報告する改善策も踏まえ、関係機関と連携して課題抽出し対応策を纏める。

10.第1次産業の振興について

(1)農業政策について

 ○国際貿易協定が次々発効される中、本道の持続的営農に向けた複合的な対策が必要だ。

 ●生産性向上や多様な担い手育成・確保、輸出拡大による需要創出など総合的に展開。

 ○水田活用の直接支払交付金条件厳格化の影響額は。柔軟な運用要望へどう対応するか。

  ●影響額は一概に把握できない。本道の実情に即した制度運用・予算確保を国に求める。

  ○就農者が安心して活用でき、地域間格差が生じない全額国費の支援制度であるべき。

  ●地方負担が生じる対策は自治体財政力で差が出る懸念がある。全額国費措置を求める。

(2)林業・木材産業の振興について

 ○林業労働者が働き続けられる森林整備事業等に必要な予算を確保し施策展開すべき。

 ●高付加価値加工施設の整備推進、資源の循環利用確立、道外人材呼び込みに取り組む。

(3)「北海道水産業・漁村振興推進計画」について

 ○R5年度からの新計画には漁業生産減少や養殖への支援策、赤潮対策も含めるべき。

 ●赤潮対応、栽培漁業の一層の推進、養殖等の取組充実・強化を検討し計画を策定する。

11.人権等施策について

(1)北海道人権施策推進基本方針について

 ○これまでの取組の評価、新年度の施策や事業は。所管部も積極的に取り組むべき。

 ●各施策を取り巻く状況に応じ可能なものから取組に反映し、推進状況を毎年点検する。

(2)パートナーシップ制度について

 ○導入や検討する自治体が増加。今こそ道が率先して制度を導入すべき。

 ●現時点で検討は進めていないが、社会情勢等の変化を踏まえ検討する必要がある。

12.環境政策について

(1)脱炭素社会の推進について

 ○削減目標が48%に引き上げ。分野別の数値目標提示やブルーカーボンも推進すべき。

 ●計画改定案で世帯の排出量や部門別の削減目標も設定。藻場・干潟の活用も検討する。

(2)野生鳥獣対策について

 ○市街地のヒグマ対策や、今後の野生鳥獣対策にどう取り組むのか。

 ●市街地対策の充実を図るとともに、生態系保全の視点を踏まえ対策に取り組む。

13.2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会について

 ○札幌市との協議状況を説明すべき。真駒内競技場の改修費負担や老朽化への対応は。

 ●道民理解促進や関係自治体との調整に努め、開催決定後は道有施設の活用に協力する。

14.北方領土問題について

 ○コロナ禍に加えウクライナ侵攻という中、返還要求運動はどのように取り組むのか。

 ●ICTなど効果的な手法を活用し世論喚起・機運醸成に繋がる啓発に取り組む。

 ○次年度以降、どのように北方四島交流等事業再開に向け取り組んでいくのか。

 ●ロシア情勢が改善次第コロナ禍でも安心・安全を確保し事業再開できる準備する。

15.教育課題について

(1)「教員の欠員」解消について

 ○多様な主体が知恵を出し教員確保に向けた課題解決を図る場が必要ではないか。

 ●欠員が健全な学校運営に影響及ぼす。様々な主体の意見も踏まえ人材確保に努める。

 ●教職の魅力に気づいてもらえるよう各種取組を進め、意見も伺いながら取り組む。

(2)教員の働き方改革について

 ○教職員テレワークを導入することで欠員解消の一助になるのではないか。

 ●課題の情報収集や研究を行い、国に整理・検討を要望。教職員の意見も聴き検討。

(3)ヤングケアラーについて

 ○当事者が直接相談できる配置型スクールソーシャルワーカーを任用すべき。

 ●市町村教委や学校と連携し派遣拡充する。配置拡充を国に要望し早期支援に繋げる。

 ○中学生・高校生の調査結果を踏まえ、小学生への調査、相談強化が必要だ。

 ●大学生・小学生の追加調査の速やかな実施や早期発見に向けた体制整備に取り組む。

 ●小学生への実態調査結果を踏まえ必要な支援を検討。適切な早期支援に繋げる。

(4)学校徴収金支出の増大について

 ○高校は端末が保護者負担で模試や検定料も高額。学校徴収金の上限目安を設定すべき。

 ●各学校に保護者負担軽減を積極的に指導・助言する。就学支援制度拡充も国に要望。

(5)いじめ問題について

 ○いじめ問題を専門とする担当教員の配置など十全に対応できる環境を整備すべき。

 ●国に加配教員拡充を要望しつつ全国事例や現場の声を参考に効果的取組を推進する。

(6)教育施設の管理について

 ○ネイパル不正問題の追加調査を行い、防止策を早期に示すべき。監督責任はどうなる。

 ●調査報告に基づき教育庁と再発防止策を早急に検討し必要な対応を講じる。

 ●第三者調査委員会を設置し全体像を解明し、職員処分や管理監督責任を検討する。

<再質問>

1.知事の政治姿勢について

(1)令和3年度の道政運営の評価について

 ○いたらなかった部分は率直かつ十分反省した上に立った政策判断がなされるべき。

 ●感染症対策と社会経済の両立に総力挙げた。来年度は将来を見据えた取組を進める。

(2)道政の進行管理について

 ○一次評価のみや長期で同意見が付される事務事業もあり政策評価が形骸化している。

 ●今年度、全事務事業の二次評価を実施。評価による点検等を通じ施策の推進に努める。

(3)機構改革について

 ○組織体制見直しは、何が不足し、どういう目標や成果をめざすかをセットで示すべき。

 ●限られた人員で組織の総合力を発揮できる組織体制となるよう不断の見直しを行う。

2.行財政運営について

 ○民間資金獲得等の取組が不十分だったと認め、残任期は全力で取り組むのが責務だ。

 ●民間との一層の連携と共感を得る取組が必要。官民連携拡大に向け力を尽くす。

3.新型コロナウイルス感染症対策について

(1)まん延防止等重点措置の延長について

 ○一部地域で病床使用率が基準を下回る中、なぜ全道で再延長を要請したのか。

 ●BA.2系統の感染事例確認や全道の医療負荷の高止まり等で再延長を判断した。

(2)積極的疫学調査とPCR等検査体制について

 ○適時適切な対策を講じるには積極的疫学調査再開とPCR等の検査体制整備が必須だ。

 ●疫学調査は国の動向も注視し対応。無料検査登録事業所の更なる拡充等も取り組む。

(3)まん延防止等重点措置期間中の飲食店に対する見回りと第三者認証制度について

 ○認証店取得のメリットの疑問へ対応するのか。見回りは組織連携が必要。

 ●基本的対処方針見直しを強く国に要望。部局間連携を図り効果的な対応に取り組む。

(4)事業者支援について

 ○北海道特別支援金拡充や、まん防解除後にGoToイートを機動的に取り組むべき。

 ●国の支援金や道の支援制度活用を促し、感染状況見極め業績回復に向け取り組む。

4.交通政策について

 ○JR北海道の経営問題は国が経営責任を果たすよう毅然とした態度で主張すべき。

 ●JRの経営努力と国の実効ある支援、地域の可能な協力のもと、必要な対応を図る。

5.人権等施策について

 ○パートナーシップ制度導入までの間、当事者の不利益解消や支援に取り組むべき。

 ●理解を深めることや基本方針に沿って可能なものから取組に反映し進捗を毎年点検。

6.環境政策について

 ○道民等の協力なければ削減目標は達成できない。参画しやすい削減指標を示すべき。

 ●家庭の排出量を見える化する仕組みの構築など行動変容に繋がる取組を推進する。

7.2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会について

 ○真駒内の施設は新築・改修の比較検討や中長期的な利活用の視点の評価も必要だ。

 ●開催地決定後、活用方法を協議・検討する。長寿命化計画に基づき維持管理する。

8.「教員の欠員」解消について

 ○欠員解消は学校での様々な問題解決にも資する。実効ある対策と強い決意を示すべき。

 ●あらゆる取組を進め、欠員ゼロをめざす決意で知事部局等と連携し全力を挙げる。

 

DSC_0027<再々質問>

1.令和3年度の道政運営の評価について

 ○成果を得ていない点は真摯に反省した上で先進的な取組をどう進めていくのか。

 ●一部施策の遅れは受け止め、地域に必要な施策の一層の推進に努める。

2.まん延防止等重点措置の延長について

 ○飲食店や道民の理解と共感を得るため、解除条件を具体的に整理し国に提案すべき。

 ●解除を含めた今後の対応の考え方を国に求め、それらを取り入れ適切に対応する。

3.2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会について

 ○財政支出は招致の大きな判断材料。真駒内は耐用年数が2038年。新築判断ないのか。

 ●開催地決定後、具体の活用方法が検討されることから、札幌市と緊密に情報共有する。

 

当面する課題と対応

(1)1月31日に知事に提出した道予算編成及び道政執行に関する要望・提言の内容は次のとおり。

2022年度 北海道予算編成及び道政執行に関する要望・提言

1.行財政運営の確立について

1 新型コロナウルス感染症は、今年に入り新たな変異株(オミクロン株)の出現により、本道においても爆発的なスピードで感染拡大が進み、依然として収束が見えないが、そうした状況においても行政サービスの質の低下を招かないよう、道庁職員が意欲を持って働くことができる職場づくりなどを構築するため、実効ある「Smart道庁」の推進に一層取り組むこと。
2 財政運営について、「行財政運営の基本方針」では、収支不足額の解消に向け、歳出削減・効率化に取り組むとしているが、行政サービス水準の低下や労働環境の悪化を招く削減一辺倒の取組ではなく、長期化する新型コロナウイルス感染症が道民生活に及ぼす影響も考慮し、機動的に感染症対策や経済対策を講ずるなど状況に応じた柔軟な取組とすること。
3 新型コロナウイルス感染症の影響により、政策推進に様々な影響が生じていることから、引き続き、コロナ禍の影響等を踏まえた政策評価、検証を実施し、道政を取り巻く環境や道民の意識の変化を踏まえ、スピード感を持って的確に対応すること。
4 「行財政運営の基本方針」の推進にあたっては、掲げる目的や効果の達成度を随時、把握・検証しながら取り組むこと。また、行財政運営の状況について、道民へ分かりやすい情報公開をより推進すること。

2.新型コロナウイルス感染症対策に係る取組等について

1 これまでの他の変異株より伝播(感染)力が強いとされるオミクロン株は、本道においても驚異的なスピードで感染拡大が続いている。道民の健康と財産を守り、無用な混乱や不安を招かないため、「第4波」、「第5波」の経験と実績を踏まえ、速やかにまん延防止等措置などを国に対して要請すること。
2 新年度も収束に向けた新たな対策を講ずるため、医療、介護、福祉分野における財 源を十分に確保すること。取り分け、医療・介護従事者を支援するため、医療機関等に対して強力な財政支援を行うこと。また、医療機関・介護施設や保健所の危機管理体制の充実、あるいは提供するサービスの質を低下させないため、医師や看護師、保健師、介護職をはじめとする専門職のさらなる増員と業務の見直し、処遇の改善、施設、設備等の拡充をはかるとともに、将来に向け人材の育成に取り組むこと。
3 医療機関や介護・障がいサービス事業所等をはじめ、許可保育園等の保育士、警察官・消防士などのエッセンシャルワーカーについては、クラスター発生を防ぎ事業継続に資する観点から、全額公費で定期的なPCR検査、あるいは抗体定量検査を実施すること。また、待機期間の短縮対象職種は感染状況を踏まえ、自治体が判断するとされており、地域間において極端な格差が生じないよう、必要に応じて道も助言等を行うこと。
4 PCR等検査無料化事業について、計画では実施事業所数を全道700か所としていたものの1月21日現在、269か所の開設に止まっている。検査を必要する道民が安心して受検できるよう実施事業所登録を加速させること。
5 新たな変異株(オミクロン株)感染が急増し、再び本道経済が厳しい状況に陥ることが大いに懸念されるが中、飲食店の第三者認証制度やワクチン・検査パッケージと言った行動制限緩和策を講じることにより、感染対策と社会経済活動の回復に向けた取り組みを進める場合は、その運用に関して矛盾や齟齬などが発生しないよう十分に精査した上で、取り組むこと。
6 新型コロナウイルス感染症は、収束の兆しが見えかかった矢先、第6波とも言える 再拡大が猛威を振るいその勢いは、止まるところを知らず、全道各地に波及している。コロナ禍では、道民はもとより、あらゆる事業分野に多大な影響を及ぼすことから、コロナ収束後を見据え切れ間のない政策を機能的かつ的確に執行するための組織横断的な組織を創設することが必要であり、次年度組織機構改改正において前向きな検討を進めること。
7 道は、新型コロナウイルス感染症については、これまで対策の検証を二度(令和2年9月7日、令和3年9月13日)にわたり取りまとめてきたが、北海道新型コロナウイルス感染症対策有識者会議における指摘ないしは改善を求められた事項が、必ずしもその後の感染症対策に十分反映され、政策が講じられているとは言い難い。充分な分析の上で速やかな追加検証を行い、その結果を政策に反映すること。また、政策決定の透明性をはかるとともに、道民や事業者からの協力を得るための観点からも、対応・対策の進捗状況を速やかに公開すること。
8 新型コロナウイルスの新たな変異株(オミクロン株)は、ワクチンを2回接種後でも、感染(ブレイクスルー感染)が確認されていることから、政府は、3回目のワクチン接種(追加接種)を進めている。また、今月13日には前回からの接種期間の前倒し方針も示されたところだが、市町村単位の詳細な配分量や日程が示されず、また、12歳未満の小児への接種も不明であり、各自治体は、具体的な準備に取りかかれないのが現状である。迅速かつ円滑な接種に向け、道が調整役を果たすとともに、接種の加速化をはかるため、接種状況を踏まえ、道も大規模接種会場を再開すること。
9 飲食店や宿泊業をはじめ、それらに関連する様々な業種は、感染拡大の沈静化に伴い対前年比において売り上げが好転した事業者もいるが、これからと言う中で、感染力が強い新たな変異株(オミクロン株)の出現により、感染状況によっては再び、営業自粛や時短要請への失望感や不安に苛まれ、事業者や労働者の死活問題が再燃する恐れがあることから、実態に見合った経済支援を幅広い事業分野に対し講ずること。 また、地域経済の回復に向けては、民間資金活用も含め民間企業と連携・協力し、社会的課題や経済活動を適切に動かし解決に導くこと。
10 雇用調整助成金及び休業支援金・給付金の特例措置については、申請期限が延長となってはいるものの、次年度以降の対応が不透明な現況であり、コロナ禍の影響を最も受けやすい非正規雇用や低所得者・女性など生活困窮者の生活実態や雇用情勢を鑑みて、雇用・所得の環境改善に向けた支援の継続を国に強く求めること。
11 中小企業に対する持続化給付金及び家賃支援給付金については、「終了ありき」ではなく、感染状況や経済動向に応じ柔軟に対応するよう国に強く求めること。
12 感染者や医療従事者とその家族に対する偏見差別や誹謗中傷、また雇い止めや解雇さらには自殺者の急増など、あってはならない事態が未だに後を絶たないことから実効ある対策を講じること。
13 道は昨年12月に新型コロナウイルス感染症の第6波への対応として新たな指針となる5段階別のレベル分類を導入したが、現下のオミクロン株の爆発的な感染拡大に伴い病床のひっ迫が大いに懸念される。飲食店への要請なども避けられない事態が十分考えられる。第4波や第5波の時のように後手に回る対応は繰り返してはならない。 経済や社会の影響を最小限に食い止めるため、最悪の事態を想定した先手、先手の対応を講ずること。

3.地方創生の推進について
1 現在、改訂作業を進めている「第2期北海道創生総合戦略」については、新年度において、改訂版に掲げる5つの重点戦略プロジェクトが目的達成に向け着実に実践されるよう具体的な施策に着手することとともに、人口減少というかつて経験のない事態をオール北海道で取り組むため、効果的な情報発信による戦略の共有化を推進すること。
2 道では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた施策の推進に向け2018年12月に「北海道SDGs推進ビジョン」を策定し、当該ビジョンに沿って多様な主体と連携・協働し、北海道全体でSDGsの推進をはかることとしているが、一方でSDGsの認知度を高めることが第一義的には優先すべきと考える。まずは、あらゆる機会・媒体を通じて普及・啓発に積極的に取り組むこと。

4.経済と雇用対策について
1 中小・小規模企業における事業継続については、コロナ禍の影響拡大により休廃業の増加傾向に一層の拍車がかかることが懸念されることから、金融機関や産業支援機関とも連携し、事業の継続と雇用の安定に向けた対策を講ずること。また、国から委託を受けた「北海道事業継承・引継ぎ支援センター」の周知徹底と利用促進をはかること。
2 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響による解雇や雇い止めなど雇用情勢を悪化しないため、コロナ禍に名を借りた不合理・不適切な事案に対しては関係法令に照らし合わせ厳正に対処し、雇用の確保と安定に取り組むこと。
3 基幹産業である一次産業や食品加工業などでは、人口減少や少子高齢化の進展、加えて、コロナ禍の影響により新たな外国人技能実習生を受け入れることができないなど、人手不足が深刻化していることから、地域からの人材流出の防止、道内外の人材確保や育成に取り組むこと。
4 すべての外国人労働者の権利を確保し、適正な就労環境のもとで働けるよう、北海道労働局や外国人実習機構、各業界団体と連携し、適正な雇用管理や在留管理についての周知・啓発等を行うこと。
5 2021年3月から引き上げられた障がい者の法定雇用率については、民間の障がい者雇用ゼロ企業の実態を踏まえた丁寧な支援を行うこと。また、雇用のあらゆる場面で適切な合理的配慮がなされるよう、必要な対策を講ずること。
6 本道の観光施策はインバウンド主体の政策により、右肩上がりの成長を見せてきたが、長期化するコロナ禍の影響により需要回復の見通しは立っていない。コロナとの共生時代を見据え、新たな発想で、新たな時代に相応しい観光施策を展開すること。
7 観光産業が本格稼働するまでの間、それぞれが持つ技能や特性を活かせるよう、他業種での就労や副業などの場をマッチングさせ、観光産業等で働く人の雇用の確保と維持に取り組むこと。
8 法定外目的税導入については、コロナ禍における観光業界の実情を踏えた上で、ポストコロナ時代を見据えた観光振興税のあり方を再検討し、将来にわたる安定した観光財源の確保を目指すこと。
9 カジノを含めた統合型リゾート(IR)構想については、現職国会議員の逮捕や民間企業代表者の在宅起訴などにより、事業に対する道民の不信感はさらに増し、現下の状況を踏まえるならば、今後の展望を再検討する必要がある。次期区域認定を見据えた税金の投入は、道民の理解を得られないことから、誘致を断念すること
10 建設産業は、社会資本の整備や災害対策など、地域の安全・安心な生活の維持、確保に重要な役割を果たしている。近年は、従事者の高齢化とともに、慢性的な担い手不足が続いており、業界が社会的な役割と責任を果たすために、道として、より効果的な取り組みを推進すること。

5.医療・福祉政策について
1 社会保障費については、財政健全化の中にあっても、必要な社会保障サービスが利用でき、新型コロナウイルス感染症対策などを含め、すべての人の生活が保障されるよう必要な財源を確保すること。
2 地域医療の確保については、新型コロナウイルス感染症拡大が再び長期化の様相を呈しており、効率化だけで議論を進めるべきではない。迅速かつ円滑な感染症対策をはじめ地域の実情を勘案しながら、圏域全体で必要な医療を確保するという視点に立った議論を行うこと。
3 医療・介護サービスが確実に利用し続けられるよう、医療機関・介護サービス事業所等の事業継続のための支援を適時適切に講じること。
4 「介護離職ゼロ」の実現にあたっては、介護人材の確保が喫緊の課題であり、コロナ禍による人材流出に歯止めをかけるため、働き方に見合った処遇の改善策を講じること。

5 待機児童の早期解消のため、質の高い保育所等の整備とともに、幼稚園教諭・保育士・放課後児童支援員等の抜本的な処遇改善と研修やキャリアアップの仕組みの構築と確実な実施により、幼児教育・保育の質の向上及び人材の定着と確保、ディーセント・ワークを実現すること。
6 市町村における子育て世代包括支援センターによるアウトリーチ型の相談支援体制を促進するとともに、働くひとり親にも利用しやすいよう、母子保健サービスと子育 て支援サービスがワンストップで提供できる体制整備を支援すること。また、地域子育て支援拠点においては、親の就業や社会参加支援につながるサービスの提供と支援内容の充実をはかること。
7 児童虐待の防止、被害児童の早期発見と安全確保に向けて、オレンジリボン運動や児童相談所全国共通ダイヤル(189)の周知促進などの住民啓発、官民が緊密に連携し、複雑な背景事情を持つ児童虐待に、きめ細かく対応するための体制強化とともに、職員の増員を上回る

ペースで増え続ける虐待件数に対応するため、さらなる専門職の増員、研修の充実、待遇面での改善をはかること。また、児童相談所における一時保護所の体制強化や里親の支援・育成を推進すること。

6.防災・減災対策について
1 胆振東部地震の発生から3年以上が経過したが、今なお心の傷は癒えず、生活再建に不安を抱いている住民は少なくない。復旧・復興支援事業については、機械的に完了するのではなく、地域の実態に則し、住民の心や生活に寄り添った施策を継続すること。
2 近年、大規模土砂災害が全国各地で発生しており、北海道においても多くの危険箇所が存在している。また、昨年7月に静岡県で発生した土石流による甚大な被害を踏まえ、盛土の調査が実施されたが、調査結果に基づき、災害の危険性が顕在化した箇所には、適切な対策や是正措置を講ずること。さらに警戒区域等の指定作業を早急に進めるとともに、引き続き、市町村支援や住民への土砂災害に対する理解の向上に取り組むこと。
3 根室沖での巨大地震の可能性が指摘されている。これまでの防災総合訓練や胆振東部地震の災害検証を踏まえ、具体的な防災・減災の目標値を設定し、官民一体の取り組みを強化、推進すること。
4 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」を「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」と同等の法制度の整備により、財政支援の強化を国に強く求めること。また、道内地域ごとの被害想定を早期に示し、市町村が講じる対策に必要な支援を行うこと。
5 地震や集中豪雨などの自然災害は、いつ、どこで発生してもおかしくない現状から防災意識の醸成に取り組むとともに、災害弱者と言われる高齢者、障がい者、子ども、疾患のある人、外国人などの移動手段の確保を含む避難計画の早期策定に向けた市町村支援、加えて、積雪寒冷期の避難や感染症対策も含めた避難所の設置・運営について、十分な検討と対策を講じること。周囲への遠慮をせずに避難所で生活できる体制を整えるための支援を強化すること。
6 自治体における原子力防災計画と医療機関・福祉施設を含めた避難計画の実効性の検証と確保を行うこと。また、「日本海沿岸津波浸水想定」を踏まえ、避難所及び避 難経路をはじめとした避難計画、退避等措置計画等の検証と必要な見直しをはかること。加えて、「地域原子力防災協議会」において改めて避難計画の妥当性及び実効性を継続的に検証すること。

7.地域交通政策について
1 JR北海道に対する経営支援について
 (1)JR北海道に対する経営支援について、昨年、国は2030年度までの支援を約束し、今後3年間で総額1,302億円の巨額を投じることを決定した。鉄道網の維持には、国や道にも責務がある。支援は、赤字補填ではなく、増収に繋がる前向きな取組に使うべきであり、JRの徹底した経営努力を前提とした受け身姿勢ではなく、道としてもJR北海道の経営を支えるため積極的に役割を果たすとともに、引き続き、国に対してさらなる支援をオール北海道で取り組むこと。また、JR函館線の存廃については、知事がリーダーシップを発揮し、調整役を果たすこと。
(2)青函トンネルの維持・管理について、JR北海道の経営安定を念頭に、北海道新幹線整備の推進とあわせ、中長期的な改修計画と財政措置を講ずるよう国に求めること。
 (3)新千歳空港駅のスルー化について、新千歳空港へのアクセスを飛躍的に高め、道南・道東からのアクセス改善はもとより、道内空港の一括民間委託の効果拡大に大きく貢献することから、空港アクセス鉄道の抜本的改良を行うこと。
2 北海道エアポート(株)は道内7空港の運営事業を一括委託しているが、コロナ禍の影響により極めて厳しい経営環境に直面していることから、必要に応じて、道としても支援や関係先への働きかけを行うこと。
3 「北海道十勝MaaS実証実験」の結果を踏まえ、現在、ひがし北海道エリア、道南エリアで展開している「シームレス交通戦略」については、実証結果の実績を踏まえ、交通事業者、行政、経済団体、住民等による幅広い参加と協働により、効果的な本格的実施に向けさらなる実証、検討に取り組むこと。
4 災害・震災時における物資や人員輸送を確保するため、トラックや鉄道、フェリーなど各モードの特徴を活かした複合一貫輸送の推進、物流の役割を考慮した道路網の整備や鉄道ネットワークの維持に向けた取り組みを講じるとともに、災害発生時における物資の円滑な流通のため、物流の基幹的広域防災拠点を整備すること。

8.環境政策について
温室効果ガスの削減は、市町村、事業者、道民の幅広い連携・協力が不可欠であり、知事には、指導力の発揮が欠かせない。2021年度から本格化した「ゼロカーボン北海道」の実現に向けた取り組みを着実に進めること。さらに、再生可能エネルギーなど多様なエネルギー源を、費用対効果を勘案しつつ活用することが求められることから、排出者による排出削減への取組を加速させるために、さらなる啓発、技術開発と普及に向け、あらゆる資源の投入や支援を行うこと。

9.農林水産業の振興について
1 農業政策について
 (1)日本の農業・農畜産物は、この数年の間に大きな国際貿易協定が立て続けに発効され、際限のない自由化へと突き進んでおり、本年1月にはRCEPが発効された。政府は農業の影響は「特段ない」としているが、今後、見極める必要がある。食の安全保障と食の安心・安全の確保、農林水産及び関連産業への影響を回避するため、生産 者をはじめ道民の不安に向き合い適切な説明を行うとともに、正しい影響試算をもとに生産基盤強化と所得増につながる政策を展開すること。
(2)第6期北海道農業・農村振興推進計画が昨年3月策定され、10年後の姿を表す「総合指標」が設定された。農業産出額は、18年比8%増の1兆3,600億円に、道内食料自給率は、カロリーベースで72ポイント増の268%、国内自給率が、30%台に落ち込む中、意欲的な目標設定ではあるが、1年目から深刻なコメ余り状態による米価の下落、生乳の需要減など目標達成を脅かしかねない状況が散見する。新型コロナウイルス感染症の長期化により雇用構造も市場動向も変化する中、農業関係者の対応だけでは限界があり、オール北海道で臨む態勢を整えるとともに、基盤整備や人材確保はもとより、ITを活用した省力化、物流の強靭化などに関係団体等との連携のもと、取り組みを強化すること。
 (3)産地生産基盤パワーアップ事業については、農業の国際競争力の強化と生産体制の一層強化をはかる必要があることから、中長期的に継続し、必要な予算を確保すること。
(4)今シーズンは、今日まで道内では殺処分に至るような事案は発生していないが、高病原性鳥インフルエンザ及び豚熱等の家畜伝染病については、侵入リスクを低減させるため、徹底した水際対策並びに侵入防止体制、防疫措置の充実強化をはかること。また、万が一、発生した場合には、産地のイメージが傷つき風評被害を起こさせないよう所要の対策を速やかに講じること。加えて、家畜伝染病発生時に対応する獣医師は慢性的な欠員状態にある中、道内のみならず他県での対応などにも派遣されている。獣医師の人材確保・人材育成についても取り組みを強化すること。

2 林業政策について
 (1)「ウッドショック」により国産材の需要が高まった一方で、スギ材の需要が伸びる道外とは対照的に道内では建材生産に必要な乾燥機が不足するなど、基盤整備が整っていないことから、簡単に増産できない背景がある。一方で、輸入材の値下がりを懸念し、設備投資に二の足を踏む製材業者も少なくない。需要拡大に向けた生産基盤などの総合的な対策、支援を講ずること。
(2)人手不足により、山元から原木を急に増やせない側面もある。コロナ禍において一  時落ち込んだ輸出が回復し、梱包材の需要が戻ったものの、道外のスギ材と道産材に は価格格差が生じ、この価格差が原木の道外流出に繋がることが懸念される。良質な 原木の道外流出が続けば、道内の林業は衰退する恐れがある。都道府県別で素材生産  量が1位であることを生かし切れない現状を踏まえ、収益性を高めることによる働き 手に魅力ある産業化に取り組むと同時に、人材を育成、確保、持続可能な林業・木材 産業の基盤整備をはかること。
(3)森林環境譲与税は、譲与基準の3割が人口比とされ、総体的に人口の多い大都市に 大きく配分される傾向が見られる。制度創設の趣旨を踏まえ、森林整備や道産材の利 活用、人材育成など地域経済の活性化に資するよう、地域の取り組みを支援すること。
 (4)本年度は、現行の北海道森林づくり基本計画の5年目に当たり、計画の見直しが進められている。木材の安定供給だけでなく、地球温暖化対策や治水など、林業が果たしている役割は大きい。現状における課題解消に向け、森林資源の循環利用の推進、それを下支えする木育の推進に取り組むこと。

3 水産業政策について
 (1)第4期北海道水産業・漁村振興推進計画」を着実に推進し、栽培漁業の推進、不漁に伴う漁業者・水産加工業者に対する経営支援、水産物の輸出拡大、地場企業における水産加工機械の開発と輸出支援、観光業との連携を進め、地域の雇用創出に取り組むこと。
 (2)計画的に資源管理に取り組む漁業者を対象とする「漁業共済・積立プラス」の加入 率向上、漁業経営セーフティネット構築事業における積立への新規加入者の拡大を支援し、漁業従事者の所得確保並びに持続的かつ安定的な漁業経営の確立をはかること。
 (3)道東の太平洋沿岸を中心とした赤潮被害については、ほぼ収束したとみられているが、政府が示した赤潮被害対策については、ウニ漁業者が強く求める数年間の長期支  援は不透明な状況にある。道は、漁業者のみならず一体となって水産業を支えてきた 加工業者も含め、早急に長期的な支援の実現を国へ働きかけること。

10.エネルギー政策について
1 省エネルギー・新エネルギーについて
 (1)北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」においても位置づけている通り、原 子力発電は過渡的エネルギーとし、再生可能エネルギーや省エネの積極的な推進を前 提として、中長期的に低減させ、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会を実 現すること。
 (2)「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画【第Ⅲ期】」については、推進体制として知事をトップとする部局横断組織と産業、経済、金融機関などの関係団体  等と協議する場を設置し、新エネ・省エネを含むゼロカーボンの実現に向け、施策に 取り組むこととしている。2030年に目指す姿が達成できるよう道内自治体や企業、NPO、一般家庭などを巻き込みながら精力的に取り組むこと。
 (3)道では、新エネルギーのさらなる導入加速化を図るため「北海道新エネルギー導入 加速化基金」を創設し、地域におけるエネルギーの地産地消への支援を強化している。この基金を有効かつ積極的な活用を促し、地場産業や雇用の創出がはかられ、また、災害時を含めエネルギーが安定的かつ適切に供給されるよう、地域の特色を活かした地域分散型電源の普及の促進と多様な再生可能エネルギーの導入をめざす市町村の取り組みを積極的に支援すること。
2 幌延深地層研究計画については、成果の有無に関わらず、2028年度で研究は終了し、三者協定に基づき施設を埋め戻すことを、明確に機構側に書面で確約を得ること。併せて、研究の終了と終了後に係る具体的な工程を、「第4期中長期計画」に明記させるよう、国や関係機関に強く働きかけること。
3 高レベル放射性廃棄物最終処分場選定に向けた第一段階である文献調査は、今年の11月に終了の目処とされる丸2年を迎える。概要調査に移行する際は、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を遵守すること。また、最終処分場の選定問題は、一自治体ではなく、北海道全体の問題として捉えることが肝要であり、道は、道民意識の醸成と世論喚起に向け、積極的かつ継続的に取り組むこと。

11.人権等政策について
1 北海道人権施策推進基本方針については、その施策の展開方向などに沿って点検を行い、可能な方策について検証を加えながら、道の計画や施策に反映するとしている。人権が尊重される地域社会の実現に向け、点検結果等を踏まえ、可能なものから取り組みを進めるとともに、毎年度、その状況を確認すること。
2 新型コロナウイルス感染者や家族、エッセンシャル・ワーカー、あるいは様々な事 情でワクチンを接種できない方に対する差別や誹謗中傷に対しては、再発防止のため 改正特措法に基づく実態の把握や啓発活動などに粘り強く取り組むこと。また、インターネット上の誹謗中傷等については、関係機関と連携し、積極的に対策を講ずること。さらに、全国の各自治体では、コロナに関する差別を禁止する条例制定の動きが広がっている。対策を講じていても、誰でも感染する可能性があり、中傷を恐れ、感染を隠蔽することに繋がりかねない。道としても条例制定に向け検討を本格化すること。
3 SDGsの5つ目の目標「ジェンダー平等の実現」に積極的に取り組むこと。
 また、少子高齢化の急速な進展、人口減少社会が目の前に迫る中、持続的成長の実現と地域社会の活力を維持するための男女平等参画社会の実現に向け、男女平等参画計画の策定は極めて重要である。道は未策定の市町村に対し、市町村の事情や地域の状況に配慮しながら早期策定に向けた働きかけを行うこと。さらに、施策の方向の項目ごとの目標が目標年次に達するよう、引き続き、関係部局との連携を強化すること。
4 2017年の改正育児休業法により妊娠・出産、育児休業、介護休業などを理由とする就業環境を害する行為を防止する措置が義務化されていることから、経済団体や 業界団体に周知・啓発を行い、育児休業等に関するハラスメントの防止措置を行うこと。
5 パートナーシップ制度は、性的マイノリティ当事者のみならず、社会全体おいても多くのメリットを創出すると考えるが、道内自治体における導入状況は、札幌市が制定済み、江別市が今年度中に制定の予定となっているものの、全国の導入率(8%)と比較しても低調な結果となっている。当事者は、市町村への後押しも含め、道の強い指導力に期待しており、導入促進に向け、道がリーダーシップを発揮するとともに、併せて道自身が早期の制度導入に取り組むこと。

12.アイヌ政策の推進について
国のアイヌ文化復興・発展拠点である「民族共生象徴空間(ウポポイ)」は開業から7月で丸2年を迎えようとしている。昨年は、民放でのアイヌ民族に対する差別的な放送、インターネット上のアイヌ職員に対する誹謗中傷が続いた。これらの背景には明治以降の国の同化政策など負の歴史と先住民族への認識不足がある。だからこそウポポイには、正しい情報を発信し、アイヌ民族への理解を深める重要な役割があることから、コロナ禍ではあるが、関係団体との連携を強化し、道としての立場から未来志向によるアイヌ政策を推進すること。

13.北方領土返還の取り組みについて
領土交渉の事実上の後退に加え、コロナ禍の影響により、2020年度に続いて2年連続で四島交流等事業が中止となったことは極めて残念だ。元島民の高齢化が進む中、次年度、再開に向け関係機関への積極的に働きかけを行うこと。
また、知事は、引き続き、四島返還を訴えていく考えを示したが、一方、岸田首相は、施政方針演説の中で、事実上の二島返還へ方針転換したシンガポール会談を含め2018年以降の首脳間のやり取りを引き継いで粘り強く交渉すると述べた。交渉の 先行きは見えてこないが、今後も世論喚起に取り組むとともに、四島返還に向けた対 ロ外交交渉の一層の加速化に向け、さらに国への働きかけを強化すること。

14.教育課題について
1 「給特法」及び「給特条例」の改正により、時間外在校等時間の上限が「月45時間、年360時間」と定められたが、依然として法の趣旨を逸脱する勤務環境に置かれている。学校における働き方改革は、継続して不断の見直しが必要で、実効性ある業務の削減策を具体的に示し取り組むとともに、特に時間外在等校時間を早期に公表し、働き方改革の推進に繋げること。
2 いじめ問題については、依然として認知件数は相当数に上る。最近では、学校側の不誠実な対応によりいじめと認知するため時間を要した事例や学校で配付されたタブレット端末による「ネットいじめ」も起こっている。現場では、いじめプログラム を作成し対応しているが、きめ細やかに対応する人員が圧倒的に不足している。いじめ問題に対する職員定数の増員、ICT支援員の確保に取り組むこと。
3 ヤングケアラーへの支援については、条例の制定作業が進められいるが、制定が目的ではない。まず、当事者がヤングケアラーであることを自覚できるよう普及啓発・理解促進をはからなければならない。その上で、当事者が臆することなく、ためらわずに相談できる環境づくり、関係機関が一体となった支援体制の構築など、条例に基づく実効ある対策(運用)を速やかに講ずること。
4 私立学校等管理運営対策費補助金における北海道単独措置額を増額し、私学に対す る財源措置を強化・充実すること。

 

(2)会派が今定例会に提出した令和4年度北海道一般会計予算案に対する組替え動議は次のとおり。

           議案第1号令和4年度北海道一般会計予算については撤回し、

      組替えの上再提出を求める動議

 議案第1号令和4年度北海道一般会計予算については撤回し、次により組替えの上再提出を求める。

  令和4年度一般会計予算案は、任期最終年となる当初予算である。道は、おととし、昨年と新型コロナウイルス対策に追われてきた。次年度についても「道民の命と暮らしを守る」とし、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に取り組む考えを示した。相次ぐ変異株の出現のたび、振り回されてきた道民や経済への影響は、極めて深刻であり、回復には相応の時間を要すると考えるべきである。知事が語る「守り」の中心が新型コロナ対策であることは当然ではある。一方で知事が唱える「攻め」の特徴はどうか。

 この間、疲弊した道民や経済をどう潤してくれるのか、財政難も大きな要因ではあるが、今回の予算案は、めり張りがなく、総体的にメイン事業は何なのか、一般道民から見ると全くぴんとこない。

 人口減少や経済の低迷などにより力点を置くべきと考える。令和4年度予算案は、前年度に引き続き、国費で賄われる新型コロナウイルス感染症対策予算が膨らみ、一般会計予算は過去5番目の予算規模となったが、予算案における収支不足は360億円に上り、23年度以降も300億円を超える収支不足が見込まれており、中長期的な財政健全化の道筋は依然として見えてこない。財政難による予算編成に制約があるときこそ知事の指導力が不可欠だが、北海道の将来がイメージできる予算とはなっていない。

 このままでは、「誰も置き去りにしない」と言った知事の言葉が、むなしく聞こえる。道民の声に真摯に向き合い、信頼関係の下、感染症の抑制や社会活動の再構築に真に資する予算編成であるべきである。

 よって、以下の内容を中心に、議案第1号令和4年度北海道一般会計予算案を組替えの上、再提出すべきである。

組替えの主要項目

1 知事の政治姿勢について

 新型コロナウイルス感染症がいまだ終息しない中での予算編成である。看板政策である「ゼロカーボン北海道」や「デジタル化」については、長期化するコロナの影響により、成果が現れる時期が見通せていない。

 道民への各事業への理解もこれからの段階である。当然、政策自体を反対するものではないが、度重なる休業や時短要請によって、廃業や倒産、解雇の危機に瀕している飲食業界や関連業界。子どもを育てるためにパートで家計を支えていた女性が、休業支援金を受け取れず、生活の見通しが立たなくなる。やむなく非正規雇用となり、今回の感染症によって差別的な待遇を受けている方。まだまだ多くの方が苦しみ厳しい状況の中であえいでいる。そうした方に光を当て、希望を持ってもらうことが知事の責務ではないか。

 感染症対策関連以外でも、人口減少に資する子育て支援や持続可能な社会の実現など、先行投資のための予算は増額する一方で、必要性に乏しい事業や効率性の低い予算については大胆に見直し、めり張りの利いた予算に組み替えるべきである。

2 行財政運営について

 財政調整基金は、4年度末の見込残高を284億円と見込んでいる。収支不足額の解消に向けて知事は本会議において、当面2年間の収支対策を明らかにし、令和6年度以降は、感染症の状況や国の動向などを踏まえ、改めて見通しの精査を行い、必要な対策を行うと答弁した。今後の歳入減に備え、基金を約260億円積み増すとしているが、感染が再拡大した際に、迅速に補正予算等の編成で対応するためにも、事業抑制や経費削減を間断なく進め、積立て財源を確保すべきである。

 道債残高は、令和4年度末には過去最高だった前年度末に次ぐ5兆9600億円に上る見通しとなっており、一方、歳入では、過去最多となる6200億円の道税収入を見込んでいるが、感染状況や想定どおりの税収が上向くかは見通せず、依然として財政運営は硬直化し、綱渡り状態が続いている。

 また、実質公債費比率は、令和8年度には23.4%に達する予測で、財政破綻が危ぶまれる早期健全化基準の25%が目前に迫る。

 道民生活を守るためには、財政再建の取組は急務であることから、中長期的な財政健全化の道筋を早急に示すべきである。

3 新型コロナウイルス感染症対策等について

 昨年の組替え動議においても取り上げたが、今年度は第4波及び第5波、さらに現在は、第6波が全道的に猛威を振るっている。昨年と同様に、新たな変異株が出現する都度、対症療法的な対策が講じられてきた。基本的にこれまでの対策と何ら変わらない「後追い的・補完的な施策」でしかない。

 また、コロナウイルス感染症対策は、終息後の施策も極めて重要であり、道民や事業者に対しては、長期的な支援が必要であるが、今回の予算案を見るとコロナによって痛手を受けた道民への安心感を与える将来を見据えた予算案とは言い難い。

 さらに、これまでの施策の検証なくして「感染症に強い地域社会の構築」はあり得ない。

 予測が立たない感染症への備えは平時にこそ構築すべきであり、加えて、感染症以外にも、我が国のどこでも起こり得る地震や集中豪雨、大雪などの自然災害に対する危機管理への予算措置にも万全を期す必要がある。

 当面する課題に対処した予算組みでしかない。21日にまん延防止等重点措置は解除となったが、終息したわけではなく、「BA.2」への置き換わりを危惧する専門家もおり、第7波に対する警戒を怠ってはならない。

 感染症や自然災害も包含した危機管理への予算を拡充し、医療逼迫を招かない体制づくりや保健所機能の人的強化はもとより、第6波でクラスターが相次いだ高齢者施設や障がい者事業所、学校や児童福祉施設などにも体制の強化は必要であり、まん延防止等重点措置の適用あるいは解除基準のさらなる明確化、4回目のワクチン接種の体制など、安定した真の「道民の命と暮らしを守る」環境づくりに資する予算に組み替えるべきである。

 また、長期化するコロナ禍により疲弊した地域活性化のため、地域独自の取組への支援を強化するべきである。

4 ゼロカーボン北海道への取組について

 道は、昨年、国に先駆けて2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す考えを示していたが、第一義的には、どのように2050年にゼロカーボン北海道を実現するのか、十分に実現可能な再生可能エネルギーの導入目標、省エネルギー目標の上積みなどについて、反復し丁寧に道民や事業者に説明する必要がある。

 また、2050年ゼロカーボン北海道を掲げた以上、電力については、原発に頼ることなく、2050年再生可能エネルギー100%を掲げ、熱や動力についても、再生可能エネルギーの電力から生産される水素等を用いるなど、具体的な施策とそれにリンクした分かりやすい工程表を示すべきと考える。

 さらに北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例は、原子力を過渡的なエネルギーと位置づけている。道は条例の趣旨を踏まえ、原子力エネルギーに依存しない社会を一日も早く実現し、地域の資源を生かした再生可能エネルギーの活用と省エネルギーによって地域を豊かにしつつ、速やかに脱炭素社会を実現できるよう、早急に中長期目標を実現するための具体策を示すとともに、「ゼロカーボン」と経済や雇用に結びつけるビジョン、あるいは道民への事業への理解を深化させるために必要な予算措置を講ずるべきである。

5 人権政策について

 令和4年度の道政執行方針におけるパートナーシップ制度の導入をはじめとする人権政策については、人権侵害が問題となっているとの認識を示すにとどまり、知事の理念や考え方等が全く語られていない。相も変わらず、人権政策については、極めて軽く扱われていることに大きな憤りを覚える。

 昨年3月の同性婚訴訟における、札幌地裁での憲法違反とする判断をはじめ、また、今年に入り江別市をはじめ道内の自治体におけるパートナーシップ制度導入の動きが活発化し、多様性に対する機運が高まっている。

 折しも2030年の札幌冬季オリンピック・パラリンピックの誘致に取り組もうとしているさなか、道として新たなスタイルを内外に明らかにするチャンスと捉え、差別解消、多様性を認め合う社会の構築に向けた予算措置を講ずるべきである。

6 指定管理者制度について

 この度の「ネイパル」の指定管理者選定過程における不正行為は、単に道教委の問題にとどまらず、道民に対する道庁全体の信用を損なう行為である。不正行為の全貌解明と再発防止策を早期に示し、信頼回復に努めるよう強く求める。

 

(3)会派が今定例における意見案第1号「台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)参加を積極的に支援するよう求める意見書」に対する反対討論は、次のとおり。

 

意見案第1号 「台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)参加を積極的に支援するよう求める意見書」に対する反対討論
                           発言者 北口 雄幸 議員
   意見案第1号に反対する主旨を説明させて頂きます。
さて、我が国、日本は、中国、ロシア、韓国、台湾などと海を隔てて国境を接しており、本議会の議員各位においては各々の議員連盟が友好の趣旨に沿った活動を展開しているなど、武力による争いが無い状態においては、分け隔てなく地域間の友好関係を構築することが本道の発展にとっても重要であると考えており、これに異を唱える議員はいないかと推察をします。

 振り返りますと、我が国は、1972年の日中国交正常化にともなって調印した「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるという中華人民共和国政府の立場を充分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」という日中共同声明を、今も基本においています。

 50年前の共同声明調印時と、台湾の民主化が進んだ今の状況を比較した場合、その基本について議論すべきという声があることも理解しますが、残念ながら事実として今もその共同声明が破棄されておりません。

 一方、台湾が加盟を求めているCPTPPは、議員各位もご承知のことと思いますが「加盟は国単位」を原則とし、その国の議会の承認も求めています。そこでご理解頂きたいことは、一方の中国も2021年に正式にCPTPPに加盟申請を行っていることを鑑みた時に、仮に台湾の加盟に日本が積極的に支援をすれば、当然中国にも同じような取り扱いをしなければ軋轢が生じることになる他に、現行のルールを変えない限り日本が台湾を独立した国と認めたことになりますが、現時点でそこまでのコンセンサスを得られているとまでは言い切れません。

 台湾と中国の関係は、国際情勢が不透明な今、日本にとっても安全保障上極めて難しい時期に差しかかっており、現在のCPTPP加盟国の状況からも、どちらか一方が加盟した場合には残る一方の加盟は極めて難しいものとなってきています。

 意見書では、台湾との深い関係に触れられ、その通りだと我々も思いますけれども、同じように中国も日本にとって重要な貿易国であり、実際に2019年の貿易総額は1位が中国で21.3%、約33兆1,300億円、2位が米国で15.4%、約23兆8,900億円となっており、農産物、主に野菜等の日本への輸入量は中国が約50%を占めるなど、台湾と比較することはさておき、日本と中国の関係もまた、経済上欠くことが出来ないほどの繋がりでありまして、さらに今年は日中国交正常化50周年の節目の年となっていることを理解しなければなりません。

 また、別の観点でご承知いただきたいことは、これまで私どもが危惧していたTPP、EU・EPA、日米EPAなどの貿易協定がもたらした北海道農業への影響も検証されてはおらず、これは台湾だからということではなくて、今も多くの農業者が「農業を犠牲とする貿易交渉には今後も反対する」として、自由貿易圏が際限なく拡大していくことで本道農業が犠牲を強いられる事になるのではと、強い不安を抱いているのです。

 意見書にあるように台湾と我が国の繋がりは、人道的なものから文化・スポーツ、観光などに至るまで多岐にわたっており、北海道は自治体外交を推進する立場でこれからも台湾と友好を深めていくことが極めて重要だということは当然でありますが、この問題は、単に交流が盛んだからとか、観光のインバウンドが多いからという事だけでは無く、今の日中、米中、中台という安全保障を強く意識した国際問題として、また限りなく自由貿易が拡大していく中で農業をはじめ本道の産業を守りきれるのかとの観点からも、慎重に判断すべきであって、今の状況等を考慮すれば、台湾のCPTPPへの参加についての意見書に対しては、慎重に対処せざるを得ないと考えます。

 先の理由によって、我が会派としては、今時点での「台湾のCPTPP参加を積極的に支援するよう求める意見書」には賛成することは出来ません。

 こうした点についてご理解を頂き、議員各位には慎重な判断をされますようお願いし、私の反対討論と致します。

 以上です。

(4)新型コロナウイルス感染症対策について
新型コロナウイルス感染症対策については、第6波といわれるオミクロン株による新型コロナウイルス感染症が全道に拡大し、今年1月27日から適用となった「まん延防止等重点措置」は、2度の延長をはさみ3月21日にようやく解除となりました。
昨年同時期の議会報告での記載内容を改めて確認したところ、『集中対策終了後(2021年3月7日以降)、道内の感染者数は増加傾向にある。感染拡大の「切り札」と言われるワクチン接種は、先行きが不透明であり、加えて、変異株の確認も相次ぎ、「実行再生産数」も上昇している中、第4波も大いに懸念される。感染予防対策と医療支援、併せて生活者・事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、早期に通常に近い生活・経済活動を取り戻す「ゼロコロナ」を目指すべきである』と記しましていた。
実際には第4波どころから第5波、そして第6波も起こりまた。未知なるウイルスとの収束の時期(これまでの経過を踏まえれば、終息は困難と唱える専門家もいる)は、この先、いつになるか誰にも分からないが、仮に第7波が起こったとしても、基本的な感染防止対策の徹底とワクチン接種の着実な促進が重症化や感染拡大の防止につながることも取得したのだから、行政はエビデンス(科学的根拠)を踏まえ、兆候が見えた初動対策から、混乱を来さないよう円滑かつ迅速に有効策を講ずる準備を第6波が減少傾向を示し、生活や社会が比較的落ち着きを取り戻そうとしているこの時期にする必要があります。
そのためにも私たち会派が継続して主張している「評価」と「検証」をしっかり実施すべきと考えます。
さらに、この間、深刻な打撃を受けた事業者への支援については、社会経済活動の平常化を図るため、「どうみん割」や「ぐるっと北海道」の再開、「Go To Eat」事業の利用条件緩和といった消費喚起策が実施されていますが、むしろ事態が落ち着きを見せた以降の経済的支援が重要です。
知事が議会で主張した「守り」(感染症対策)と「攻め」(社会経済活動)の両立が今度こそイメージどおりに確立するのか、道民の共感、賛同が得られる政策となるか注視する必要があります。
(5)道政運営の評価について
会派は、今定例会に限らず、その節目、節目で道政運営の自己評価と次年度に向けた重点政策について質してきました。とりわけ政策評価に関しては反省すべき点を追求してきました。今定例会での知事から聞かされる答弁は、これまでと変わりなく施策の遅れは新型コロナ感染症の影響によるもので、自らの責任を回避するかのような発言に終始しています。 先にも触れたが、これまでの施策の分析、評価なくして「感染症に強い地域づくり」は叶わないことは感染症対策に限ったものではなく、全ての政策に共通します。
政策評価制度も各部任せは否めず、形骸化していると言わざるを得ません。
知事自身が政策の推進に積極的な姿勢を見せることが肝要と考えます。
「ピンチをチャンスに変える」をキャッチフレーズに道庁職員はもとより多くの道民を鼓舞してきた知事は、今こそ有言実行する好機ではないでしょうか。
知事就任最後の1年となる新年度もコロナ禍の先行きは不透明な状況にありますが、看板政策である「ゼロカーボン北海道」と「デジタル化」は、道民の理解が深化しているとは言い難い状況です。併せて、より深刻な人口減少問題などの全ての施策に共通する基本政策の展望も見えてきません。
この1年知事は、政策に伴う考え方や具体的な施策等を明確に示し、誠実かつ真摯な議論に付すべきと考えます。

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第1回定例道議会開催状況記録

DSC_00163月24日閉会した第1回定例道議会で、3月3日に私が登壇した代表質問でのやり取りをまとめた開催状況を掲載します。
 本質問
 再質問
 再々質問

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一般質問

DSC_00473月11日(金)8日からの一般質問が終了しました。
各会派から23名が登壇し、民主道民連合会派からは6名が登壇し知事に対し各種政策についてただしました。
民主会派の質問項目をまとめました。(写真は壬生勝則議員(釧路市選挙区))
木葉 淳
1.新型コロナウイルス感染症対策について
2.地方への支援について
(1)雪害について
(2)担い手不足について
(3)中小企業について
3.交通政策について 
4.道民の森の利活用について
5.保育課題について
6.教育課題について
(1)GIGAスクールについて
(2)働き方改革について
壬生 勝則
1.新型コロナウイルス感染症対策について
2.産業振興策について
3.防災対策について
4.アドベンチャートラベルについて
5.交通インフラの整備について
6.食品ロス削減の取組について
7.若者の人材育成について
山根 理広
1.観光政策と民泊業の推進について
2.eスポーツの推進について
3.本道スポーツの推進について
4.デジタル化の推進について
5.PCR等検査無料化推進事業の実施について 
6.万引き対策の強化について
7.ヒグマ対策について
8.災害時の備えについて
9.学校図書館の充実について
池端 英昭
1.北海道オルレについて
2.半農半Xについて
3.道産食品需要拡大について
4.生乳廃棄問題について
5.水田活用の直接支払交付金について
6.マイクログリッドについて
7.DXの地方支援について
8.新幹線発生土について
9.除排雪体制について
10.ドローンの活用促進について
11.登山届の電子申請導入について
12.信号機・横断歩道等の整備について
藤川 雅司
1.18歳成年について
2.人権施策について
3.地域活性化と高校について
4.知事公邸・近代美術館エリアの在り方について
5.森林環境譲与税の活用による森林吸収源対策について
6.児童相談所の機能強化について
広田 まゆみ
1.子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI)について
2.森と自然を活用した 保育、幼児教育、子育て推進について
3.有機農業推進計画と学校給食などについて
4.北海道の障がい者雇用などの現状と公共発注について    
6.木質バイオマスの熱利用の促進について
7.官民連携と協働推進の在り方について

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代表質問

DSC_00183月3日(木)代表質問の予定は午前10時からの予定でしたが、開始前にロシアによるウクライナへの軍事侵略に対する決議を緊急に準備し可決することとなりました。
代表質問日程は午後からとなり終了時間は午後7時となりました。
質問項目は次の通りです。(再質問・再々質問以外)

一 知事の政治姿勢について
(一)令和3年度の道政運営の評価について
昨年第1回定例会において道政運営について質したところ、知事は、「感染拡大の防止と社会経済への影響の最小化に向け、全力で取り組むとともに、ポストコロナを見据え、今こそ『ピンチをチャンスに』という気概をもって、新たな北海道づくりに挑戦していく考えである。」と述べた。現在もおそらく意気込みに変化はないと思うが、意気込みだけでは、道民の生活は豊かにならない。現下は、知事が当時、思い描いていたイメージとは大きく隔たりがあるのではないかと推察する。新年度の道政執行方針や重点政策も昨年と同様のことを述べているが、この1年、どのように変わり、何が良くなったという実感は全く得られない。コロナ禍に明け暮れたこの1年間を踏まえ、自身のこれまでの政策に対する評価とともに、達成できなかった点に関して所見を伺う。
また、来年4月に任期満了となる知事にとって、任期最後となる向こう1年をどのように道民の命と暮らしを守り、そして「輝きつづける北海道」を見せてくれるのか所見を伺う。

(二)令和4年度重点政策について
2022年度は、21年度と同様に新型コロナウイルス感染症対策が第一義的にはメインになると考えるが、知事は、国が進める「デジタル化」と「脱炭素化」を重点的に取り組むことをすでに公表している。公約に掲げる政策についても、「一層の推進を図るとともに、我が国の持続的な発展にも貢献できる地域社会の実現に向け、積極的に取り組む」とも昨年の議会で答弁している。果たしてコロナ禍が長期化し、収束の兆しも見えない中、疲弊した人々の日々の営みを再生しつつ、残された任期中に公約の実現は可能なのか所見を伺う。
さらに、道財政は、依然として厳しい状況が続くものと承知するが、新たな政策展開にどのように取り組むのか所見を伺う。

(三)道政の進行管理について
任期最後の一年を迎え、知事はこれまで「ピンチをチャンスに変える」ため、直面する危機を克服し、北海道ならではの強みや真価を発揮すべく、北海道総合計画の点検や評価、北海道SDGs未来都市計画の策定、北海道創生総合戦略の見直し等を進めてきた。
しかし、一方で「北海道水道ビジョン」のように過去策定された道の計画で、相当年経過しているにも関わらず、いまだに検証や見直しがなされていないものや、持続的な鉄道網の確立に寄与すべき「北海道交通政策総合指針」のように実効性に疑義があるもの等が散見される。
これらを放置してきた知事の姿勢を見る限り、道政運営に本気で取り組む気持ちがあるのか疑問である。
「ゼロカーボン北海道」のように全庁一丸となって取り組むべき重要政策においても、PDCAに基づき的確に施策が進められなければ、知事の独善的なパフォーマンスにしか過ぎなくなってしまう。そのため、道政に関するすべての計画や指針等において、知事には透明性を前提とし公正性をもって各施策を執行する責務があるが、このような計画に対してどのように指導監督していたのか、また他の計画等の進捗状況やその成果をどのように把握し、課題に対してどう対処しているのか所見を伺うとともに、各取組の実効性を今後どのように高めていくのか伺う。

(四)国と自治体の連携の在り方について
新型コロナウイルス感染症対策において、国と自治体の連携不足が生じて、現場あるいは道民に不安と混乱を招いた経過がある。本年1月には、首相の諮問機関である第33次地方制度調査会が発足し、「国の関与の在り方」が特に議論の中心となりそうだ。国による統制を強めるべきとの意見がある一方で、全国知事会は国ではなく、現場を抱える自治体の権限を強化すべきだとの立場を主張しているが、知事の所見を伺うとともに、都道府県と市町村との関係にも同様なことが言えると考えるが、連携の在り方や役割分担の明確化について知事の所見を伺う。

(五)機構改革について
道は17日に、ワクチン接種を加速させるため予防接種担当局長などを新設する機構改革案を固めたとの報道があった。
一昨年に発生してから現在第6波を迎えているが3回目の接種が始まるこの時期に新たな担当局長を創設する理由について、市町村支援や他府県に遅れをとっている3回目の接種率向上を狙っての事としている。しかし、市町村が一番危惧しているのは、当該自治体への安定的かつ計画的なワクチン供給が今後もなされるのか否かである。
また、新たにヒグマ対策室も設置されるが、肝心の駆除にあたる現場の体制が改善されなければ組織を作っても意味はない。
これまでも新たな組織が設置されてきたが、その組織が当初から具体的な成果目標を掲げ、設置されていたかといえば、不明瞭な組織も少なくない。
そこで機構改革による成果について、一体どのような考え方や具体の目標をもって設置しているのか所見を伺う。

二 行財政運営について
(一)政策財源の確保について
行財政運営に関し、まず政策財源の確保について伺う。先の定例会において、「稼ぐ道政」を標榜する知事として、政策財源の確保にどう取り組むのか質したところ、令和4年度の当初予算編成に向け、民間資金獲得に対するインセンティブの強化を図るとの答弁があった。
そこで、令和4年度当初予算では、民間資金の更なる獲得に関し具体的にどのような取り組みを行い、どう反映されているのか伺うとともに、その成果は十分なものであったと考えているのか、知事の評価を伺う。
(二)財政健全化に向けた取組について
次に、財政健全化に向けた取り組みについて伺う。令和4年度当初予算にあわせ公表された道財政の中期展望では、計画期間である令和7年度までの間、300億円以上の収支不足額を見込んでおきながら、令和4年度と5年度の2年間の収支対策しか示さなかった。
感染症の動向を見通し難いことは否定しないが、そもそも、感染症対策に必要な経費や、社会経済活動の抑制により生じた減収は、地方自治体の財政運営に支障が生じることがないよう、国が責任もって対応していくべきであり、道として収支対策が定められない理由にはならないものと考える。
先の定例会でも議論したが、計画期間を定め、財政健全化目標まで定めておきながら、その対策を示さないのは、無責任と言わざるを得ない。計画を定めた知事自身が計画期間を通じた対策を示すことが必要と考えるが、知事の所見を伺う。

三 地方創生の推進について
(一)SDGsの推進について
知事は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた施策の推進のため「北海道SDGs推進ビジョン」を掲げ、多様な主体と共に「北海道SDGs推進ネットワーク」を形成し世界の中で輝きつづける北海道を目標としているが、まだまだ知識と現実が結びついていない。
道民一人一人がたくさんのゴールの中からこだわりを持ち、実行できる提案が周知されていないのではないかと感じる。知事が目標としている、世界の中で輝きつづける北海道と言うゴールはなにか伺うとともに、そのために必要な施策等を早期に示すべきと考えるが、所見を伺う。

(二)働き方改革について
2年程前から新型コロナウイルスの感染を防止する為、急速にテレワークの推進が加速し、働き方改革にも繋がって、在宅勤務や時間差勤務などの人と接触する機会を減らし、積極的なICT利活用の促進を総務省発信の元、本道でも力を入れ、テレワークの環境作りの骨格が見えてきたのではないかと感じていますが、未だワークスタイルの改革に変化が見られない現状だ。
少子高齢化や現状のコロナ禍に対応し、人口一極集中の回避、地域の特性や生活の充実につなげていくために、しっかりとした目標値を定め推進していく必要があると考えるが所見を伺う。

四 新型コロナウイルス感染症対策について
(一)まん延防止等重点措置の延長について
道は、昨日開かれた対策本部会議により、まん延防止等重点措置の再延長を要請することとした。今回の再延長要請にあたっては、道内の新規感染者数は減少傾向にあり、病床使用率は2月28日時点で全道39・6%、札幌市内46・8%と、政府が示す4つの目安はいずれも下回っており、措置解除・延長の基準が明確とは言えないなかでの再延長要請である。
知事として、道民に対し、今回の再延長を全道域とした理由と飲食店に対する時短営業の効果を、疫学的なエビデンスに基づき明確に示すべきと考えるが所見を伺う。併せて、まん延防止等重点措置を要請するならば、あらかじめ解除基準を示し、全道民がその目標に向け協力する機運をつくり、その基準に基づき解除すべきと考えるが所見を伺う。

(二)新指標について
知事は昨年12月、「医療の逼迫」に重点を置いた、新たな感染対策の指標を作成した。感染状況の分析や評価を行った上で対策を講じるとしたものの、1月以降の道内は、これまでの感染拡大とは比べ物にならないスピードで全道域に広がった。
これは、新たに作成した指標が、感染力が極めて高く、潜伏期間が短い、重症化リスクが低いと示唆されるオミクロン株には対応していないにもかかわらず、これまで通りの対処を行い、対策が後手に回ったためだ。ここまで感染の拡大を招いた知事の責任について伺う。
また、我が会派が再三求めてきたように「新たな変異株」を含めた道独自分析・検証の上、新しい指標の作成や、場合によっては、山梨県のように感染症の新たな特性を踏まえ即応するため国に「まん延防止等重点措置」をあえて要請せずに独自の対策をとるなど、迅速かつ柔軟な対応が必要と考えるが知事の所見を伺う。

(三)ワクチン接種について
1 3回目接種の加速化、4回目接種について
我が会派は昨年12月の第4回定例会予算特別委員会知事総括において「ワクチン接種は各市町村が計画的に接種体制を構築できるよう対応すべき」と質したところ、知事は「円滑な接種の促進に向け、きめ細やかな支援に、積極的に取組む」と答弁した。円滑な接種の実施に向け、3回目接種の課題を把握の上、道としての調整役を積極的に果たすべきと考える。例えば、道内市町村間のワクチン融通に向け具体的な対応を行うなどの取り組みが必要と考えるが所見を伺う。
また、ワクチン接種効果への疑念や、3回目接種よりも副反応を心配する方もおり、3回目接種が低調との話も聞く。3回目接種の意義や知見の周知徹底に努めるなどの取り組みが必要と考えますが所見を伺います。
併せて、今後4回目以降の接種については、その必要性も含めて現時点で明らかになっていないため主体となる市町村は困惑している。早期に方針を示すべきと考えるが、知事の所見を伺う。

2 小児へのワクチン接種について
5歳から11歳の子どもへのワクチン接種について、道内でも、早い医療機関では本日(3/3)から開始すると伺っている。
今回、努力義務適用は見送られるようだが、重要なのは、保護者や子ども本人が、ワクチン接種を安心して受けられるような環境づくりだ。小児へのワクチン接種の効果とリスクについての周知を図るとともに、子どもや保護者の不安や疑問解消に積極的に取り組むべきと考えるが、今後の対応について伺う。


(四)経口治療薬・中和抗体薬について
発症から5日以内に使うことで効果を発揮する経口治療薬や中和抗体薬は、感染拡大が収まらない中、その効果を期待される一方で、適切な処方や投与の体制が整っているとは言い難い。必要とする陽性者が必要な時に治療ができるよう、早急な体制整備が必要と考えるが、所見を伺う。

(五)積極的疫学調査について
今回の感染急拡大に伴い、これまで保健所が行ってきた積極的疫学調査について重点化した。保健所の厳しい状況を考えれば、重点化せざるを得ないことも理解できるが、感染者や濃厚接触者の細かな把握が拡大を防ぐ根本であると考える。今後も感染の拡大と縮小が繰り返されることが十分あり得ることから、今回の転換は、恒常的なものか限定的なものか伺う。

(六)PCR等検査体制について
我が会派は2年前から感染拡大防止には、早期に陽性者の把握が必要であり、そのためのPCR検査拡充を常に訴えてきた。それを怠り、今回の第6波に対応しきれず後手に回った結果だと、まずは強く猛省を求める。
昨年12月末から行ってきた無症状者へのPCR等無料検査は、当初700ヶ所の目標が3月2日現在、604箇所の登録にとどまっており、抗原定性検査キットの不足等により184箇所予約停止ともなっている。無料検査に限らず検査を必要とする道民がすぐに受検できるPCR等の検査体制整備と検査件数の拡充を早急にすべきと考えるが、知事の認識と今後の取り組みについて伺う。

(七)まん延防止等重点措置期間中の飲食店に対する見回りについて
今回のまん延防止等重点措置期間内の飲食店に対する指導であるが、3月1日時点で289店舗が時短要請の応じなかったとのことだ。こうした店舗への対応にあたり見回り後に「電話確認」「文書指導」「学識経験者の意見聴取」「弁明の機会付与」等進めていく現在の方式では、まん延防止等重点措置期間内に「命令」まで進むことは困難である。道の要請により時短営業等を行ってきた店舗からは、不満の声が上がっており、感染防止対策の順守を含め不公平感のない厳正な対応が必要と考えるが、知事の所見を伺う。

(八)事業者支援について
2月20日までとしていたまん延防止等重点措置が、今月6日まで延長されている。営業時間短縮や酒類提供制限などの要請に従っている飲食店等には、協力支援金が支給されているが、本来の収益には程遠く、一昨年からの度重なる要請に、廃業を余儀なくされたり、事業の継続も危ぶまれている現状である。
そもそも、感染拡大時における措置は、短期間に何度も想定しているものではなく、長期化、あるいは今回のような延長による影響への支援としては、妥当であるとは言い難い。
一律の基準ではなく、要請期間に応じて割増するなどの新たな基準作りや別途支援策が必要と考えるが、所見を伺う。

五 医療・福祉課題について
(一)妊よう性温存療法について
妊よう性温存療法については、昨年4月に遡り支援の対象となった。しかし、広域な本道にあって5つの指定病院は札幌圏に集中していることから、地方に居住する方にとっては、なお、治療を希望してもそのハードルは高いものとなっている。知事は昨年第4回定例会において「妊よう性温存療法を円滑に受けられるよう、体制整備に努める」と答弁しているが、治療を必要とする患者の方々が円滑な利用ができるよう、支援体制の充実をはかるべきと考えるが所見を伺う。

(二)在宅医療的ケア児への支援について
新年度予算では医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法に基づき、医療的ケア児支援センターを札幌近郊に設置するとして予算計上をしている。広域な北海道に暮らす医療的ケア児・保護者にとって、札幌近郊の設置だけでは十分ではないのではないか。道は今回設置する支援センターについて広域な本道の状況をカバーするためどのような機能を持たせ、どういった対応を行うのか。また、知事は、医療的ケア児等に係る課題やニーズを具体的にどのように把握し、医療的ケア児支援センター設置のほかに、今後、どのように医療的ケア児支援に取り組むのか伺う。

(三)成年後見制度について
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目前に迎え、来年度からはじまる「第二期利用促進基本計画」では、北海道に「担い手の育成」や「ネットワークづくり」が求められているが、制度にはメリットがある一方で、後見人の不祥事が相次ぎ、報酬負担や資産運用・相続の制限などのデメリットもあり、安易な運用を危惧する声もある。利用者には正しい理解の促進のための丁寧な周知が必要であるが、どう取り組むのか伺う。
また、様々なトラブルに発展する事案に対応できない現制度の見直しも必要と考えるが所見を伺う。

六 経済と雇用対策について
(一)第三者認証制度について
第三者認証制度の取得状況は、全道約3万件の対象店舗数に対し2月3日時点で1万5,615件の申請数に留まっている。取得店舗数が増加しない要因の一つとして、制度の目的と効果が事業者に伝わっていないことや取得のメリットが全く感じられないといった声に対応されていないことが考えられる。
第6波におけるまん延防止等重点措置においても、そもそも取得店と未取得店にさしたる差がないところや、まん延防止等重点措置適用までに至らない特別対策期間における時短等の要請内容と変わらないなど、制度の矛盾を改善する必要性があるのではないかと考えるが、知事の所見を伺う。

(二)長引くコロナ感染症拡大下での事業者支援について
長引くコロナ禍は3年目を迎え昨年、一昨年は緊急事態宣言の発出などで、特に観光関連産業や飲食産業などは厳しい状況となり廃業増加の懸念があったが、報道等によると国による、実質無利子・無担保の『ゼロゼロ融資』や支援金などの給付型事業などにより、休廃業の抑制に一定の効果があった。
その『ゼロゼロ融資』の返済が始まる事業者が多くなってくるが、事業の立て直しがまん延防止等重点措置の適用によってさらに遠のく中、返済開始が始まる事は事業者にとって重い借金返済となるのは火を見るより明らかだ。さらに、オミクロン株の爆発的な感染拡大により、多くの事業者が再び窮地に立たされる中、返済開始の猶予など柔軟な対応が必要と考えるが、所見を伺う。

(三)北海道の観光振興について
今後の北海道観光振興は、本道発展の命運を握る取り組みと言っても過言ではない。
現在、北海道アウトドア活動振興条例や北海道観光のくにづくり行動計画等、多くの関連計画があるが、コロナ禍によって思わぬ停滞を余儀なくされている。
その中、来年『アドベンチャートラベル・ワールドサミット』のリアル開催が正式に決定し、世界に北海道の魅力を発信するまたとないチャンスだ。
本道の体験型観光の先駆的な自治体として「ニセコ」が一つのブランドとして確立されているが、他の自治体が擁する資源を世界に発信し、認知度を高め誘客につなげていく施策の展開が重要と考えるが、どう取り組んでいくのか所見を伺う。

(四)建設産業の振興について
建設産業は、社会資本の整備や災害対策など、地域の安全・安心な生活の維持、確保に重要な役割を果たしています。しかし、近年は就業者の高齢化とともに、慢性的な担い手不足が続いており、公共工事の入札にも支障が出始めているなど、人手不足が深刻な状況に陥りつつある現状をどのように認識しているのか伺います。
また、道では2018年に「北海道建設産業支援プラン」を策定し、担い手の確保・育成に向けて様々な取組を進めていると承知しているが、建設業界が社会的な役割と責任を果たすためには、これまで以上に技能労働者の安定的な確保と処遇改善、建設現場における生産性の向上を図ることが重要と考えますが、今後どう取り組んでいくのか知事の所見を伺います。

(五)燃料価格高騰対策について
昨年10月頃から高値が続いているガソリンや灯油に関し、政府は元売りへ約3円40銭程度の補助金を拠出し価格上昇の抑え込みを図っているが、もはや焼け石に水の感はぬぐえない。
交通・運輸事業者をはじめ一次産業など、ガソリンや灯油を多く使用する事業者にとっては死活問題であり、一時的でもガソリン税の低減を国に求めるなど、窮状にあえぐ道民を救う取り組みをするべきと考えるが、知事の所見を伺う。また、現在苦境におかれている業種別の支援策や生活困窮世帯への個別の支援も早急に構築し速やかに措置するべきことを求めるが、知事の所見を伺う。
七 エネルギー政策について
高レベル放射性廃棄物最終処分場選定に向けた第一段階である文献調査は、今年11月に終了の目途とされる丸2年を迎える。概要調査に移行する際には「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を遵守すべきであるが、改めて知事の所見を伺う。また、道としても「道民の理解が十分に進んでいるとは言えないことや不安な声がある」と認識していることから、地元2自治体に限らず道民全体の意思決定に向けた学習・議論の場を設けることが急務と考えるが、知事の所見を伺う。

八 防災・減災対策について
(一)日本海溝・千島海溝巨大地震について 
政府は昨年12月21日、日本海溝・千島海溝沿いで、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合、東北や北海道など太平洋沿岸で最大19万9,000人、道内で13万7,000人が死亡するとの被害想定を公表した。
この被害想定は、北海道、青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島、茨城、千葉の9道県が対象であるが、今回の国が示した被害想定は「被害の全体像を示し、国や都道府県が広域的な対策を立てることに活用するため」との理由で、市町村ごとに区切った想定は出されていない。しかし、岸田首相は一方で、対策を進める自治体を支援する財源について「法改正してでも用意する」と述べている。そこで、道は沿岸部の自治体ごとに死者数などの詳細な被害想定を独自にまとめ、防災対策と併せて公表する考えを打ち出したが、当該の各自治体は一刻も早く対策を講じることを望んでいるはずである。今後、各自治体への支援など、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。

(二)雪害対策について
2月7日、札幌を中心に記録的な大雪に見舞われた。これによって、JRは札幌駅発着便が二日にわたって完全運休し、道路網も大雪によって大きな交通障害を引き起こした。JRは三日目からは不完全ながら運転を再開し始めたが、完全な通常運転に戻ったのは1週間後の14日であった。こうした状況に対し、巷からは自衛隊の出動要請をした方が良いのではないかという声も聞こえたところである。しかし、札幌市長は、この災害レベルの大雪に自衛隊への派遣要請の可能性は「人命にかかわる状況ではない」として、自衛隊や北海道と協議していると述べるにとどまった。
はたして本当に人命にかかわる状況でなかったのだろうか。全道的に新型コロナ感染症患者及び濃厚接触者が急増し、あらゆる職場において出勤者が確保できていない中で、さらに雪害による交通障害で出勤できない状況は、人命にかかわらないのだろうか。その職場が病院だとしたら、人命にかかわるのではないか。また、交通障害で予定の在宅医療を受けられないという状況は、人命にかかわるのではないか。知事として、今回の雪害に対する認識を伺うとともに、道の対応についての見解を伺う。
また、道路の除排雪についても遅々としてなかなか進まず、優先順位としてバス路線、幹線道路から行われ、生活道路については後回しとされた。しかし、この生活道路の後回しは、子どもたちの通学路の安全確保とは全く逆行するものである。こうした状況に対し、知事並びに教育長の見解を伺うとともに、今後の対応について伺う。

九 交通政策について
(一)JR維持存続について
1月28日、JR北海道や沿線自治体、道で構成する「根室本線対策協議会」において、年間約11億円の維持管理費を沿線自治体の負担金が問題となり、JR根室線「富良野~新得間」の廃止方針が決定された。その背景には、国土交通省が示すJR北海道への支援策に、JR側のバス転換の方針に支援策が盛り込まれなかったことがある。
これまでも知事は「本道の持続的な鉄道網の確立に向けて積極的に取り組む」と議会答弁しているが、その威勢とは真逆の結果に突き進む現状を知事は一体どのように受け止めているのか。
鉄道の維持には莫大な経費負担が掛かる事は最初から分かっていたにも関わらず、すべてを沿線自治体とJR北海道に押し付けた知事の無責任な姿勢は決して容認できない。
このままでは、採算性のない地方路線は次々と廃止に追い込まれてしまい地域の衰退に拍車がかかるのは目に見えている。今後、知事が自ら発言した「持続的な鉄道網の確立」にどのように取組まれるのか知事の見解を伺う。

(二)国における地域モビリティの刷新に関する検討会について
また、先程、国交省では、公共交通のあり方の方向性をまとめるため、有識者検討会を立ち上げたと承知する。議論の論点には、鉄道事業者と地方自治体の役割や責務、他モードへの転換等も含まれており、新たなルール・基準づくりが一方的に進められるのではないかと危惧する。現在、JR北海道の単独では維持困難線区について、地域と協議が進められているが、今回の検討会との関わりはどうなるのか伺う。併せて、検討会にはオブザーバーとして全国知事会の代表が参加しているが、北海道の知事として、地域の実情や考え方を強く訴えていく必要があると考える。どう意見反映していくのか伺う。

(三)鉄道の除排雪対策について
札幌市など石狩地方を中心とする記録的な大雪の影響で、JRは2月6日に札幌駅発着の全列車の運休を余儀なくされ、全便通常運転が再開となった2月14日までに約3,500本の列車が運休となり、50万人以上の足に影響が生じた。JR北海道は、札幌圏に鉄道除雪車両を9台有するものの、高架に滞留した雪や列車周りの除雪は人海戦術の対応しかなく、冬季設備や輸送手配、除雪動員等の多くの課題を残す結果となった。
現在、札幌冬季五輪の招致に取組もうとしている札幌市での出来事として、国際的にも決して良い印象にはならず、また道内全域で起こり得る重要な交通インフラ課題でもあることから、JR北海道に全責任を押し付けるのではなく、道として安全・安心な移動手段の確保に向けて必要な対策を講じるべきだと考えるが知事の所見を伺う。

十 第1次産業の振興について
(一)農業政策について
1 実効ある農業政策について
RCEP(アールセップ)をはじめ国際貿易協定が次々と発効されたが、これまで生産者の地道な努力に支えられてきた本道農業は、現在、自由化競争の脅威に晒されているところである。そこへコロナ禍が追い打ちをかけ、さらに燃料価格や輸入原料価格の高騰、またコメの消費減や農畜産物の価格低迷等が農家を苦しめている。
このままでは、農業経営は逼迫するばかりか担い手不足に追討ちをかけることになるのは明らかであり、食料安全保障面からも非常に危険な状態といっても過言ではない。本道の農業を持続的に営農できるよう、生産基盤強化はもとより、価格安定化、消費喚起等の複合的な対策が喫緊の課題である。知事としてどう対応されるのか具体策について伺う。

2 米の需給調整について
農林水産省は、米の需給調整に伴い主食用米からの転作を促すため農家に支払う「水田活用の直接支払交付金」について、今後5年間で一度も水張りを行わない農地を交付対象水田から除外するなど給付条件を厳格化する方針を表明した。
これによって、稲作への生産意欲の低下や経営収支の悪化による離農者の増加、さらに自給飼料の作付面積の減少、土地評価額の低下、施設の維持管理への影響等、様々な問題が起こり得ると考える。
この度の制度の厳格化によって本道全体で一体どれくらいの影響額となるのか、明らかにして頂くとともに、2月15日に公表された各地の地域農業再生協議会のアンケートの回答について、新条件の期間延長や例外規定の新設、さらに除外水田の復活など、制度の柔軟な運用などの要望に対して、知事はどのように対応されるのか伺う。

3 新規就農及び継承支援について
農林水産省は、新規就農における就農前の研修や就農後の経営を支援する「農業次世代人材投資事業」を見直し、これまで最大690万円だったものから最大1,000万円まで支援する制度を新年度から適用させるとしている。
しかし、支援期間の途中で営農を断念すると支援は打ち切られることになり、新規就農者が安心して活用できる支援制度とは言えない。
また、令和3年度から措置された「経営継承・発展等支援事業」は、農業後継者に一定条件に取組む支援として100万円を上限に国と市町村がそれぞれ2分の1を負担する補助制度だが、新規就農者や財政基盤が弱い自治体など地域によって差がでることや、地方交付税措置の全額補填の確証もないなど、多くの問題を抱えていると言わざるを得ない。知事はこの見直しを一体どのように認識しているのか、また地域間で差がつかないよう全額国費で賄う支援制度であるべきと考えるが、国への要請も含めた知事の所見を伺う。

(二)林業・木材産業の振興について
コロナ禍におけるウッドショックで、国産材の需要が高まった一方、道内の基盤整備が整っていない現状なども明らかとなり、改めて現状と課題を整理するとともに、人材の育成・確保、持続可能な林業・木材産業の基盤整備に向け、「北海道森林づくり基本計画の見直し」を踏まえた、より具体的な取り組みを進めることが求められています。
特に、今年は北の森づくり専門学院の最初の卒業生が、道内企業・団体・自治体に就職し、そこでの活躍が期待されている中、道が率先して魅力ある林業・木材産業化に取り組むとともに、林業労働者が森林づくりに誇りを持って働き続けられるよう、森林整備事業等に必要な予算を十分に確保した上で、具体的な施策を展開すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

(三)「北海道水産業・漁村振興推進計画」について
「北海道水産業・漁村振興推進計画」は令和5年度から新たな推進計画が策定されると承知している。
北海道における漁業生産の急激な減少に加え、漁業者の減少や高齢化などの諸課題の解消に向け様々な取組を推進計画の中で示されているが、サケ、イカなどの更なる減少が進んでいる。
また、昨年発生した「赤潮」の被害額は82億円に及んでおり、漁業関係者のみならず多くの道民や国民の皆さんの間に不安が生じている。道はこの間、発生原因の究明とモニタリング調査等を実施してきており、原因究明は重要な取組みであることは理解するが、実際に発生し被害が生じた際の金銭的な救済措置など、漁業従事者に不安を生じさせないような施策を示すことが重要である。
さらには道南ではサーモン養殖事業が、すでにスタートしていると承知をしているが、地球規模の気候変動の影響から多くの魚種において今後も漁獲量の劇的な増加は見込めないことが想定される中、道としても養殖漁業への支援策が極めて重要である。
次期推進計画の策定に向けては、これら諸課題の解決を目指す内容とすべきと考えるが知事の所見を伺う。

十一 人権等施策について
(一)北海道人権施策推進基本方針について
人権施策について、昨年の第4回定例会では「年内を目途に各部局において計画等への反映状況の点検作業を行っている」との答弁があった。
目的は、単に計画等へ反映させるだけではなく、いかに当事者の立場に立った施策の展開が急務である。新年度における施策や事業について伺うとともに、推進本部長である知事自身のこれまでの取り組みの評価と、今後の進め方について伺う。
また、各部への反映状況を点検することは当然として、肝心の人権施策を推進する立場の環境生活部の取り組みは、従来からの啓発活動以外に見当たらない。
所管部としての取り組みを積極的に進めるべきと考えるが、何をどう取り組むのか伺う。

(二)パートナーシップ制度について
中でもパートナーシップ制度については、再三にわたって導入を求めてきた。これまで道としては、理解促進を図る取り組みを進めてきたが、人権施策の推進に理解のある事業者等に道の発注工事や指定管理者選定に一定のインセンティブを与えるなどして、加速化させることも必要と考えるが所見を伺う。
また、道内では札幌市に次いで江別市が導入を決定し、函館市や帯広市、苫小牧市なども検討を始めていると仄聞するが、導入や検討に至る社会情勢に対応したこれらの動きに対する知事の認識を伺う。併せて、道内市町村に遅れることなく、今こそ、模範となるべく道が率先して制度の導入を推し進めるよう、知事の強いリーダーシップを求めるが、所見を伺う。

十二 環境政策について
(一)脱炭素社会の推進について
北海道地球温暖化対策推進計画の見直しについて、当初、道は2030年までに35%としていた削減目標を、国の動きに合わせて48%に見直しの検討を進めていると承知する。
再エネ導入や事業者や道民など削減活動促進等の施策に係る「目標数値」を追加記載するとのことだが、その根拠と、分野別の具体的な「数値目標」や森林吸収源における具体的な「数値目標」を提示すべき考える。併せて、海洋における海藻などで吸収・固定されるCO2ブルーカーボンの取り組みも推進すべきと考えるが知事の所見を伺う。

(二)野生鳥獣対策について
第2期北海道ヒグマ管理計画の案が出され、予算案に人材育成や緊急時対応強化などを目的としたヒグマ対策推進費が計上されている。ゾーニングや電気柵の設置などヒトの生活圏に近づかないようにすることや、市街地等に出没した場合に駆除できる場所への誘導経路の作成や発砲に関する判断など対策が必要と考えるが、第2期ではどのような対策を行っていくのか伺う。
また、将来的にヒグマのみならずエゾシカ等地域における総合的な推進を行う野生鳥獣対策連絡協議会への移行とあるが、対象となる種を広げるだけではなく相互関係や植物をはじめ他の生物の動態など生態系全体から考えていく必要があるのではないか。今後の野生鳥獣対策にどのように取り組むか伺います。

十三 2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会について
2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会については、知事公約でもあるが、招致に向けては道民理解が不可欠なのは言うまでもない。道としては、札幌市とこれまでどのような協議を行い、支援をどう行っていくのか明らかにし、説明する責任があると考えるが所見を伺うとともに、今後の取り組みについて伺う。
また、札幌市が作成した大会概要(案)では、「既存施設を最大限活用し、大会のためだけの新たな施設は設けない計画とする。」とされており、真駒内の道有施設の活用が見込まれているが、改修費などについての負担をどのように考えているのか伺う。併せて、オリンピック活用は別としても、建設後52年を経過し老朽化している真駒内競技場は、今後どうしようと考えているのか伺う。

十四 北方領土問題について
(一)北方領土返還要求運動に対する取組姿勢について
新型コロナウイルス感染症の拡大により、北方領土問題に関わる取り組みは昨年に引き続き北方四島交流等事業の見送りや啓発活動の中止、事業規模の縮小など、大きく後退していると言わざるを得ない。
このままでは、早期返還を切望する元島民の皆さんをはじめ多くの国民・道民の皆さんの期待に応えることは極めて困難である。
また、今月23日にロシアのプーチン大統領がウクライナ東部で親ロシア派が支配する独立を承認し、翌24日にはウクライナへの全面侵攻を開始したことで、ロシアと欧米の更なる対立が深まり、北方領土交渉への困難さが増すことが懸念されている。
道はこの間、国に対し、電子署名の取り組みなど提案しているが、コロナ禍での困難な状況に加えロシアによるウクライナ侵攻という極めて困難な社会情勢の中、基本的にどのような姿勢で北方領土返還要求運動に取り組んで行くのか、知事の所見を伺う。

(二)北方四島交流等事業の早期再開について
また、コロナ禍により今年も北方四島交流等事業の実施は見送られた。
ウクライナ情勢は別として、今後もコロナ禍と共存していかなくてはならない事が想定される中、道として新年度以降、北方四島の交流等事業再開に向けて具体的にどのように進めていくのか知事の所見を伺う。

十五 教育課題について
(一)「教員の欠員」解消について
慢性的な「教員の欠員」の解消、また良質な教員の確保は喫緊の課題である。対処療法では限界があり、他業界との人材争奪戦を繰り広げている状況を踏まえれば、多様な主体が知恵を出し課題解決を図る場が必要であるが、これまでの道の取り組みをどう総括し、新年度の取り組みに反映しようとするのか、知事並びに教育長の所見を伺う。

(二)教員の働き方改革について
「教員の欠員」解消に関して、文科大臣は「働き方改革が一番の改善の優先施策である」と述べている。しかしながら、北海道の「働き方改革」は遅々として進んでいない。業務の円滑化、ワークライフバランスの向上等を図り、学校における働き方改革の取り組みを支援する「教職員テレワーク」を、北海道が全国に先駆けて導入することで、「教員の欠員」解消の一助になると考えるが、所見を伺う。

(三)ヤングケアラーについて
1 「配置型」スクールソーシャルワーカーの任用について
ヤングケアラーに必要な支援は、「ヤングケアラーの早期発見と相談支援」である。道は、今定例会に「ヤングケアラーに係る教育支援体制構築費」を予算計上し相談支援を強化しているが、「派遣型」のスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーではヤングケアラーのニーズに応えられない。一番必要なのは、ヤングケアラーが直接相談できる形なのである。そのためには、「派遣型」ではなく「配置型」のスクールソーシャルワーカーを任用すべきと考えるが、教育長の所見を伺う。

2 小学生への相談体制強化、学校・自治体への支援について
また、今回の調査で、中学2年生の約85%、全日制高校2年生の約40%、定時制高校2年生の約50%が小学校段階から「ケア」を始めている。この結果を踏まえると、早急に小学生の実態調査をすべきと考えるが知事並びに教育長の所見を伺う。併せて、今回の教育支援体制構築も中学・高校に偏っていることから、小学生への相談体制強化も必要と考えるが、知事並びに教育長の所見を伺う。
さらに道は、この4月「北海道ケアラー支援条例」を施行するとしたが、対策の実効性を高めるためには、学校と支援する自治体との連携が重要となってくる。条例に基づき具体的にどのような取り組みを行い、支援を進めていくのか知事並びに教育長に所見を伺う。

(四)学校徴収金支出の増大について
GIGAスクール構想の推進により、小中学校の端末は自治体が購入し、児童生徒に貸与する形で家庭の費用負担はないものの、通信料等は保護者負担となっている。高校は端末も保護者負担となっており、家計への負担は大きい。また、摸試や検定料の経費も高額となっており、生活困窮家庭の生徒にとっては進学校への進学は大変厳しい状況にある。北海道の学校徴収金の実態を伺うとともに、教育の格差拡大を是正するためにも、学校徴収金の上限の目安を設定すべきと考えるが、教育長の所見を伺う。

(五)いじめ問題について
いじめ「重大事態」への対応について検討している文科省「いじめ防止対策協議会」においては、「重大事態が起こった際の調査に時間をかけるよりも、被害を訴える子どもへの対応を急ぐべき」との意見があげられている。実際、調査等に時間がかかり、その間、いじめか否かも明確にされず原因究明や再発防止もなされないことが散見される。いじめか否かの認定ではなく、人権侵害があったか否かについての調査に重きを置くべきである。これを解決するためにも、いじめ問題に専門的に取り組む「いじめ対策担当教員」を配置するなど、十全に対応できる環境整備を急ぐべきと考えるが、道教委の所見を伺う。

(六)教育施設の管理について
道教委職員がネイパルの指定管理者候補者の選定過程において不正行為を働いた問題は、情報通信の適切な管理や利用とかコンプライアンスの意識不足ということで片づけられる問題ではない。一連の不適切事案について、再発防止策は示されたものの、まだ、詳細な調査が必要なこともあり、その上でなければ真の再発防止策につながらないし、到底、道民理解も得られない。追加の調査と防止策を早期に示すべきと考えるが知事並びに教育長の所見を伺う。
道民への謝罪はあったものの、「管理監督責任については検討する」にとどまっている。事の重大さを考慮すれば、組織の長として自らの処分をどうお考えなのか、教育長の所見を伺う。

答弁も含めた開催状況は後日掲載します。

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